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「シンプルなカードケース」は“キャッシュレス時代のお財布”になれるか?分かりにくいけれど面白いモノたち(1/5 ページ)

» 2025年01月29日 16時35分 公開
[納富廉邦ITmedia]

 バリューイノベーションの「abrAsus(アブラサス) シンプルなカードケース」のルックスは、その名の通りシンプルとしか言いようがなく、それこそ、うっかりするとよくある革のカードケースと思われかねない。バリューイノベーションの代表的な製品である「薄い財布」や「小さい財布」のような、見ればその特長がハッキリと分かるし、よくある製品には全然見えない、いかにも機能的なムードが、「シンプルなカードケース」には、ほとんど見出せないのだ。

バリューイノベーションの「abrAsus シンプルなカードケース ブッテーロレザーEdition」7800円。サイズは72(幅)×95(高さ)×7mm。国産牛革を使用したエンボス・タイプ(6500円)もあるが、シンプルなデザインだけに、個人的にはブッテーロのスムースレザーを使った高品位バージョンを推したい。色は、ブラック、キャメル、ブルー、グリーンがある

 公式サイトの製品ページを見ると、そこに「出し入れのしやすさを考え抜いた特別な構造」と書かれている。つまり、この封筒型のカードケースにしか見えない製品は、この形でなければならない理由があるということ。それは、使ってみると、すぐに分かる。

 大きく開くフラップは、入れたカードの上部を完全に露出させ、ケース下部の切れ目からカードを押せば、さらにカードはケースから出てくる。その状態でカードを、ババ抜きで相手にトランプを選ばせる時のように扇形に開けば、目的のカードに簡単にアクセスできる。ありそうでなかった、このシンプルながら使いやすい構造は、何らかのギミックではなく、単にサイズと革という素材の特性だけで構成されているから、見た目はとても普通になる。

「シンプルなカードケース」は、下部の切り込みを除けば、見た目は封筒型の一般的なカードケースのように見える

 「『abrAsus 薄い財布』や、『小さい財布』に、カードは本当に必要な5枚しか入りません。その他のマイナンバーカードや、保険証、診察券など、常に財布に入れておく必要のないカードを、普段は自宅の引き出しや金庫に入れておき、必要に応じてバッグやポケットに入れて、持ち歩くという想定で、新しいカードケースの制作を始めました」と話すのは、このケースの開発者でバリュー・イノベーションの代表でもある南和繁さん。

 「カードケースには、特に目立ったイノベーションがなく、私自身も今まで、特に既存のもので困っていませんでした。今回、ゼロベースで考えてみたら、特徴のある商品になったので発売に至りました」という南さんの言葉通り、実は、カードケースは、あればあったで便利だけど、財布や名刺入れなどでも代用できる程度の製品ではあったのだ。

 では、このカードケースの特長とは何か。

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