先週のアクセス1位は、ベーシックインカムに関する興味深い実験だ。米国の低所得成人1000人に毎月1000ドルの現金を給付し、その影響をさまざまな側面で調査している。
「受給者は起業家精神を持つ可能性が高かった」「健康的な生活習慣への好影響も観察できた」「興味深い仕事や有意義な仕事を選択する傾向が高かった」などポジティブな結果が出ており、基本的な生活を保障されることの重要性が浮き彫りになっている。
4位には、イーロン・マスク氏率いる投資家グループが、OpenAIを管理する非営利団体の買収に974億ドルの入札を行ったとされる件についての記事だった。これを受け、米OpenAIのサム・アルトマンCEOが「(OpenAIの買収は)いいえ、結構です。よろしければTwitterを97.4億ドルで買収しましょうか」とX(旧Twitter)に投稿していた。
競争が激しい生成AI市場の中で、OpenAIは常に頭一つ飛び抜けている印象だ。生成AIの進化と普及は逆行できない流れになっており、これからますます生活に入り込んでいくだろう。現在の生成AIは、20年前ごろのインターネットと似た状況かもしれない。
ネットは格差を広げてきたと言える。普及当初は「誰もが情報発信者になれ、平等性が増す」と期待されていたが、結果を見てみると、GAFAと呼ばれる一握りのプラットフォーム企業に富が集中してしまっている状況だ。
一方で、個人レベルでは“下克上”が起きた。その代表例はYouTuberのヒカキンさんだ。アルバイト店員だった彼は、YouTubeに人力ビートボックス動画に投稿し人気を集め、日本を代表する著名タレントの一人になった。
音楽シーンでは、ニコニコ動画で「ハチ」として活動していた米津玄師さんや、YouTubeのカバー動画投稿で人気を博した藤井風さんなど、既存の音楽業界とは異なるルートで影響力を高めたミュージシャンが多数いる。
AI革命が浸透すると、どんな人が力を持つのだろうか。誰もがAIを使う時代になれば、AIプラットフォームを提供するOpenAIのような組織が次世代のGAFAになり、提供する側と使う側の格差は広がりそうだ。
インターネット・YouTubeにおけるヒカキンさんのように、AIという“知の高速道路”に乗り、個人の力が拡張されるのも間違いないだろう。AI時代のヒカキンは、誰になるのか――。拡散・リーチ力という面で既存メディアに匹敵したネットは、エンタメ分野で個人の下克上を起こした。人間の知や創造性を拡張するAIは、研究開発や創作などの分野などで地殻変動を起こすのかもしれない。
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