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実は攻めていたパナソニック「VIERA」 事業売却検討まで落ち込んだ“日本特有の事情”とは小寺信良のIT大作戦(1/3 ページ)

» 2025年02月20日 14時00分 公開
[小寺信良ITmedia]

 2月4日に開催されたパナソニックHDの2024年度第3四半期決算説明会では、「パナソニック株式会社」を解散し、事業再編すると発表された。この「パナソニック解散」という字面の強さが一人歩きしてしまい、一時大騒ぎになってしまったようだ。

 現在のパナソニックグループは複数の事業体に分社化されているため、なかなか複雑だ。だが実際の製品には「Panasonic」のブランド名が記されているので、一般の人には全てが「パナソニック」としか見ていない。

 パナソニックグループは22年の持株会社化に伴い、9つの事業会社に分かれている。全体像はこちらのリクルート情報のサイトが一番分かりやすい。この中の一つで、かつての名前を引き継いだ「パナソニック株式会社」は、家電・電気設備・空質空調・食品流通事業を担当してきた。

パナソニックグループを構成する9つの会社

 パナソニック株式会社自体もさらに事業部ごとに5つの社内分社がある。くらしアプライアンス社、エレクトリックワークス社、空質空調社、コールドチェーンソリューションズ社、中国北東アジア社だ。

パナソニック(株)にはさらに5つの社内分社がある

 2月に発表された経営改革案では、その担当事業を別の線引きで分け直して3つに分社化するので、「パナソニック株式会社」は解散するという事になった。現在発表されているところでは、スマートライフ、空質空調-商品流通、エレクトリックワークスという仮称になっているが、それぞれが他の事業会社のように「パナソニックナントカ」という会社になるのだろう。わざわざパナソニックという看板を降ろすメリットはない。

 ただこのパナソニックナントカが多すぎるというのも、一部の人には混乱を招いているのも事実だ。存在しない「パナソニックナントカ」を名乗る電話詐欺も発生しており、パナソニックHDからも注意喚起が出されている。今後の社名にも注目しておきたい。

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