広告制作などを手掛けるチョコレイト(東京都渋谷区)は2月21日、同社が企画した東洋水産のアニメーション広告について声明を発表した。今回物議を醸していたのは、カップ麺「赤いきつねうどん」のWebCM。映像を見た一部のユーザーから「性的な要素があって不快」「生成AIを利用しているのでは」などの声が上がっていたことを受け、チョコレイトは広告の制作過程などを明かした。
赤いきつねうどんのアニメCMは、東洋水産の公式X(@toyosuisan_jp)が6日に投稿。その後16日ごろから、アニメ内で女性が頬を赤らめながら食事するシーンに対し「性的な表現だ」「不快」など批判の声が上がった。一方でこれらの主張に対して「性的な要素はない」と反論する人も現れ、物議を醸していた。
また、CM内に登場する座椅子の表現に違和感を覚えるなど、アニメ中の作画や構図に対する意見も上がっていた。一部のSNSユーザーからは「アニメーションの制作にAIを使っているのでは」との主張も見られ、さまざまな論争を巻き起こす事態になっていた。
これらの状況を受け、広告制作を手掛けたチョコレイトは21日に声明を発表。AI使用疑惑については「全ての制作過程において一切の生成AIを使用しておらず、全てプロのアニメーター・クリエイターによる手作業で制作された」と明かした。物議を醸したアニメの表現については、東洋水産とともに検討を進めた企画案に基づき、アニメ中の表現は制作チームと共同で制作したと説明している。
また、この広告の関係者個人に対して、誹謗中傷が発生しているとも言及。「虚偽の情報を拡散する行為や、関係者に対する誹謗中傷は、当該個人の名誉を著しく毀損するものであり、看過できるものではない」と述べている。
「弊社は本件のクリエイティブに対する責任を持つ立場として、制作に関わる全ての関係者を守ることが責務であると考えている。どうか特定の個人への悪質な誹謗中傷や虚偽の情報拡散に関しては控えていただき、クリエイティブに関する意見は弊社のメールアドレスに送ってほしい」(チョコレイト)
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