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日本初の民間月面ローバー「YAOKI」を搭載した月着陸機、こんや月面へ VTuberによるライブ配信も

» 2025年03月06日 17時38分 公開
[ITmedia]

 宇宙スタートアップのダイモン(東京都中央区)が開発した小型月面ローバー「YAOKI」が、まもなく月に到着する。YAOKIを載せた米Intuitive Machinesの月着陸機「Nova-C」(通称:アテナ)が、3月7日未明に月面着陸を試みる。

小型月面ローバー「YAOKI」のイメージ(出典:ダイモン)

 YAOKIは、重量約498gという小型ロボット。100Gの衝撃に耐える堅牢なボディを持ち、月面を走行しながら撮影したデータを月着陸機に送信する。地球から遠隔操作も可能だ。

 大きな特長は、従来の月面ローバーに比べて低コストで製造できること。民間企業の宇宙進出やアルテミス計画を前に、今後も活躍の機会は増えるとみられている。

 今回、Nova-Cが着陸するのは、月の南極点から約160km離れたMons Mouton(モンス・ムートン)と呼ばれるエリア。将来「アルテミス計画」の候補地の1つにもなっている。既に一度、月面着陸を成功させた実績のあるIntuitive MachinesとNova-Cにとっては2度目の挑戦となる。

月を周回するNova-Cから撮影した画像(出典:Intuitive Machines)

 着陸は、7日の午前2時32分ごろの予定。その模様は、米国ヒューストンに滞在しているダイモンの中島紳一郎代表も出演して、VTuber・星見まどかさんのチャンネルでライブ配信する予定だ。ただし、YAOKIの月面走行はNova-C着陸から約5日後となっている。

 ダイモンは、自動車エンジニア出身で、ロボットクリエイターでもある中島代表が、2012年に設立したロボットと宇宙技術開発のスタートアップ。従業員は10人ほどの規模ながら、低コストを武器に「数年以内に100機のYAOKIを月面へ送り込む」計画を立てている。

YAOKIは手のひらサイズ(出典:ダイモン)
YAOKIの概要と特長(出典:ダイモン)
Nova-Cが着陸に成功すれば5日後にYAOKIを放出する予定(出典:Intuitive MachinesのIM-2イメージ動画

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