米Googleは5月8日(現地時間)、Google検索、Chrome、Androidでユーザーを詐欺などから守るためにAIを活用する新たな方法を紹介した。
Google検索では、AIが1日当たり数億件もの詐欺的な検索結果を検出し、ブロックしている。AIによるシステム強化により、詐欺的なWebページの検出数は以前より20倍多くなったという。AI採用により、例えば航空会社になりすました詐欺は検索上で80%以上削減されたとしている。
デスクトップ版のChromeブラウザで、オンデバイスで稼働するLLM「Gemini Nano」とChromeの「セーフブラウジング」機能を組み合わせることで、ユーザーが潜在的に危険なWebページにアクセスすると、警告が表示されるようになった。
おおまかなしくみは、Chromeが表示されているWebページのコンテンツをLLMに提供し、LLMはページの意図などのセキュリティシグナルを抽出するようクエリされる。この抽出された情報は、サイトに関する他の情報やメタデータと共にセーフブラウジングに送信され、セーフブラウジングはこれらの情報に基づいてそのページが詐欺である可能性が高いかどうかの最終的な判断を行う。詐欺であると判断された場合、Chromeはユーザーに警告インタースティシャルを表示する。
このプロセスはデバイス上でローカルに実行するため、ユーザーのプライバシーは保護される。
まずは技術サポート詐欺(キーボードロックAPIの悪用などによる詐欺)が対象で、将来的には、荷物追跡詐欺、未払い料金詐欺といった他の種類の詐欺にも拡大する計画だ。
この機能は、セーフブラウジングの「保護強化機能」を有効にしているユーザーに提供される。
Android端末上のGemini Nanoが、通知コンテンツ(タイトルや本文、アクションボタンのテキストなど)を分析し、迷惑である可能性が高い通知を特定し、ユーザーに警告を表示する。
ユーザーは通知の内容を確認し、そのサイトからの通知の登録を解除するか、警告を無視するかを選択できる。
この機能は、将来的には他のプラットフォームへの展開も検討している。
Android端末ではこの他、Gemini Nanoによる詐欺検出機能を開始しており、電話やメッセージを介した詐欺からユーザーを保護している。
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