米NVIDIA、米Amazon傘下のAWS、米AMDは5月13日(現地時間)、それぞれにサウジアラビアの新興AI企業HUMAINとの提携を発表した。
HUMAINは、サウジアラビアの政府系ファンドPIF(Public Investment Fund)の会長を務めるムハンマド・ビン・サルマン・ビン・アブドゥルアズィーズ・アルサウード皇太子が前日に立ち上げを発表したAI企業だ。
NVIDIAとHUMAINは、サウジアラビアに「未来のAI工場」を構築するための戦略的提携を発表した。このAI工場は最大500メガワット(MW)の容量を持ち、今後5年間で数十万個のNVIDIAの最先端GPU(GB200 Grace Blackwellなど)を使用する予定。
また、物理AIとロボティクスを加速させるため、NVIDIAの「Omniverse」プラットフォームを展開する。
共同で、AI、シミュレーション、ロボティクス、デジタルツイン技術に関する大規模な人材育成プログラムも実施する。
AWSとHUMAINは、サウジアラビアにおけるAI導入を加速するため、50億ドル超の戦略的投資を行う計画を発表した。
この投資には、サウジアラビアに「AIゾーン」を構築することが含まれており、専用のAWS AIインフラ、サーバ、「UltraCluster」ネットワーク、「Amazon SageMaker」「Amazon Bedrock」「Amazon Q」といったAWSのAIサービスが提供される。
この提携は、サウジアラビアのスタートアップ支援、10万人のクラウドコンピューティングおよび生成AIスキルに関する人材育成、アラビア語LLMの開発を推進することも目的としている。
AMDとHUMAINは、100億ドル規模の戦略的提携を発表した。この提携により、サウジアラビアから米国にまで広がるAIコンピューティングセンターのネットワークを構築し、今後5年間で最大500メガワットのAIインフラを展開する計画だ。
AMDは、自社の「Instinct GPU」「EPYC CPU」「Pensando DPU」「Ryzen AI」を含むAIポートフォリオと、オープンソフトウェアエコシステムである「ROCm」を提供する。
これらの提携は、サウジアラビアを訪問中のドナルド・トランプ米大統領が発表した、サウジアラビアが米国に総額6000億ドルの投資を行うというコミットメントの一環だ。
上記3社の提携の他、サウジアラビアDataVoltが米国でAIデータセンターを含むインフラに200億ドルを投資する計画や、米Google、米Oracle、米Salesforce、米Uberなどが、両国で総額800万ドルを最先端技術に投資することが両国間で取り決められた。
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