スマートフォンでゲームを楽しむ人が増え続ける中、「ゲーミングスマホ」という言葉をよく耳にするようになりました。そこで今回は、現在のゲーミングスマホの代表格である台湾ASUSの「ROG Phone 9 Pro」と、コストパフォーマンスに優れた中国Xiaomiの「POCO F7 Ultra」「POCO F7 Pro」を試用してみたいと思います。実際に使ってみると、これらの機種は全く方向性が異なっていて、ゲーミングスマホのすそ野が広がっていることが分かりました。
ゲーミングスマホとは、その名の通り「ゲームをプレイすることに特化したスマートフォン」です。一般的なスマホと比べると、以下のような特徴があります。
一般的なスマホは、電話やメール、SNS、写真撮影など様々な用途にバランスよく対応することを目指しています。一方、ゲーミングスマホはゲームプレイの体験を最高にすることを最優先に設計されています。それはスマホゲームでもビックタイトルになればなるほど、3Dモデルをガツガツと動かすからで、それはゲーム以外のスマホの用途では、そこまで求められていません。
例えば、一般的なスマホでは薄さやデザイン性を重視する傾向がありますが、ゲーミングスマホでは冷却性能を高めるために少し厚みがあったり、ゲーム操作がしやすいよう側面に追加ボタンが付いていたりします。
また画面のリフレッシュレート(更新速度)も大きな違い。一般的なスマホが60Hzや90Hz程度であるのに対し、ゲーミングスマホでは120Hz以上の高リフレッシュレートを採用し、よりなめらかな映像表示を実現しています。これは特に動きの速いアクションゲームやFPSに没入するのに大きなアドバンテージになります。
現在のゲーミングスマホ市場には、大きく分けて2つの傾向があります。一つは最高の性能と専用機能を備え、価格も高めの「ハイエンド型」(今回でいえばROG Phone 9 Pro)。もう一つは必要な性能は備えつつ価格を抑えた「コスパ重視型」(同じくPOCO F7 Pro)です。
ROG Phone 9 Proは、ASUSが手がける本格ゲーミングスマホの最新モデルで、価格は18万9800円とかなりの値段。単に高性能という製品ではなく、専用の機能が充実しています。
ユニークなのは、ゲーム中の本体の発熱を抑える外付けクーラーユニットや、ドット絵でアニメーションを表示できる背面ディスプレイ「AniMe Vision(アニメビジョン)」でミニゲームまで楽しめること。さすが最高峰のゲーミングスマホです。
ちなみに、ROGという名前は「Republic of Gamers」の略で、「ゲームを楽しむすべての人のためのブランド」という意味があります。ASUSがゲーマー向け製品に冠するブランド名で、PCやモニターなど様々な製品ラインがあります。
一方のPOCO F7 Ultraは、Xiaomiのサブブランド「POCO」から登場した最上位モデルで、価格は9万9980円〜10万9800円。最新プロセッサーを搭載しながら10万円を切る価格が魅力です。
もう一つのPOCO F7 Proは、POCO F7 Ultraの弟分。価格は6万9980円〜7万9980円で、必要十分な性能と大容量バッテリーを備え、さらにコストパフォーマンスを高めたモデルです。
3機種のうち、ROG Phone 9 ProとPOCO F7 Ultraは最新のSoC「Snapdragon 8 Elite」を搭載しています。これは現在スマートフォンに搭載できる最高峰の処理性能を持つチップ。重いゲームも快適に動作します。
一方、POCO F7 Proは一世代前の「Snapdragon 8 Gen 3」を採用しています。とはいえ、このプロセッサーも非常に高性能で、昨年のフラッグシップモデルに搭載されていたもの。一般的なゲームであれば、ほとんど違いを感じることはないでしょう。
メモリ(RAM)は、ROG Phone 9 Proが16GB、POCO F7 Ultraが12GB/16GB、POCO F7 Proが12GBとなっています。メモリが多いほど複数のアプリを同時に動かしても快適に動作し、ゲームとチャットアプリなどを行き来する場合にもスムーズです。
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