性能を数値で比較できるAnTuTuベンチマークでは、ROG Phone 9 Proが約294万点、POCO F7 Ultraが約239万点を記録しています。POCO F7 Proのスコアは公表されていませんが、同じプロセッサーを搭載した他機種の結果から推測すると、200万点前後と考えられます。いずれも非常に高いスコアで、現在のスマホゲームであれば最高設定でも快適に動作するレベルです
実際のゲームプレイでは、3機種とも人気ゲーム「原神」などの重いゲームでも最高設定で快適に動作します。特にROG Phone 9 ProとPOCO F7 Ultraは、長時間プレイしても性能が落ちにくいのが特長です。
POCO F7 Ultraは特筆すべき点として、「VisionBoost D7」というグラフィック専用チップを搭載しており、フレーム補間機能によって60FPSのゲームを120FPSの滑らかさで表示できます。POCO F7 Proにも一部のゲームでフレーム補間機能はありますが、対応タイトルはF7 Ultraより限定的です。
今回、もっともスマホを物理的に熱くするゲームともいわれている「学園アイドルマスター」(以下、学マス)でプレイ時の発熱をテストしてみました。あえてグラフィック性能を品質画質「最高」、フレームレート60fpsで3機種ともプレイしてみたのです。プレイしたのは最初のプロデュースが終わるまでの10分弱。
結果は一目瞭然。POCO F7 Ultraは裏面のみが熱くなる程度でしたが、POCO F7 Proは本体全体(スクリーンまで)が熱くなりました。一方、ROG Phone 9 Proはほんのり暑くなる程度で済みました。発熱の度合いは、ROG<POCO F7 Ultra<POCO F7 Proの順番で、倍々で熱くなるという印象です。
この結果から、長時間のゲームプレイを考えると、冷却システムの優れたROG Phone 9 Proが最も安定した性能を発揮できることが分かります。POCO F7 Ultraも悪くありませんが、POCO F7 Proは長時間の高負荷ゲームでは発熱による性能低下が懸念されます。
画面サイズは、ROG Phone 9 Proが6.78インチとやや大きめ、POCO F7 UltraとF7 Proはともに6.67インチです。大きな画面はゲームの没入感を高めてくれます。
解像度については、POCO F7 UltraとF7 Proが2K(3200×1440ピクセル)と高精細なのに対し、ROG Phone 9 ProはFHD+(2400×1080ピクセル)にとどまっています。ただし、スマホの画面サイズでは解像度の違いはあまり目立たず、むしろバッテリー消費を抑える効果があります。実際、体感上で差異はほとんど感じられませんでした。
ゲーミングスマホの大きな特徴である高リフレッシュレート画面は、3機種すべてに搭載されています。特にROG Phone 9 Proは最大185Hzという驚異的な数値。POCO F7 UltraとF7 Proは120Hzとなっています。
リフレッシュレートが高いほど画面の動きが滑らかになり、特に動きの速いアクションゲームやFPSでは大きなアドバンテージになります。185Hzと120Hzの違いは、熟練したゲーマーでなければ体感しづらいかもしれませんが、60Hzの一般的なスマホと比べると、どの機種も格段に滑らかな表示が可能です。
ROG Phone 9 Proの最大の特徴は、「AirTrigger」と呼ばれる超音波ボタンを側面に搭載していることです。これにより、物理ボタンがないのに、ゲームパッドのようなボタン操作が可能になり、特にFPSやアクションゲームでの操作性が向上します。物理的に押せるわけではないのにボタンとしてちゃんと機能するのは不思議な感覚で、また物理的ボタンではないというのは故障しにくい構造になっているといえます。
また、ROG Phone 9 Proには「AniMe Vision」という背面ディスプレイ機能があり、648個のLEDによって様々な画像や文字を表示できます。ゲーム中の通知やカスタマイズ要素として楽しめる機能です。ドット絵のような画面で遊ぶのは、無駄と言えば無駄ですが、ゲームの楽しさを追求するという点で、実にゲーミングスマホらしい機能です。なお、付属のスマホケースであれば、ドットの光はケースから透けて見えるので問題なく遊べます。
ソフトウェア面では、3機種ともゲーム体験を向上させる機能を搭載しています。ROG Phone 9 Proには「Game Genie」というゲーム中に設定を調整できる専用ツールがあり、POCO F7 UltraとF7 Proにも同様のゲームブースター機能があります。これはゲーム用の設定ができるという点もいいですが、スマホでゲームをやる際にゲームの邪魔するものをオフにする機能もあります。ゲームに熱中しているときにかかってくる電話なんてお互いに不幸しかありませんから、これはうれしい機能です。しかもこれらの機能、ゲームを始めると勝手に(許諾は必要ですが)作動してくれるのもありがたい限りです。
ゲーミングスマホにとって重要な冷却システムについては、ROG Phone 9 Proが最も優れています。内部に大型の冷却システムを搭載しているほか、別売りの「AeroActive Cooler X」を装着することで、さらに冷却効果を高めることができます。学マスの発熱テストでも明らかなように、POCO F7 UltraとF7 Proの冷却システムはROG Phone 9 Proには及びません。
特にPOCO F7 Proは長時間の高負荷ゲームでは発熱が顕著になります。ゲームを長時間楽しみたいのであれば、この点を重視して選ぶと良いでしょう。もちろん、熱問題はゲームの設定次第ではあります。ただ、せっかくなら高品質で楽しみたいというのも正直なところです。
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