ほとんどがiPhoneという環境で起きる最大の困りごとは、「AirDropが使えない」ことだ。
中高生はデータ通信量が少ないプランで契約していることが多く、常に「ギガが足りない」状況だ。そのため、写真や動画の共有にはAirDropを使う。
LINEで共有すればいいという意見もあるが、LINEの場合は「友だち」になる必要がある。今やInstagramをメインにしている彼らにとって、全員とLINEでつながることは重いのだ。
また、動画世代である彼らは常に動画を撮影し合う。LINEでは最長5分以内の動画しか送信できない。「アルバム」機能を使っても同様だ。InstagramやTikTok向けにダンスを踊ったり、友人とのカラオケを撮影したりすれば、あっという間に5分を超えてしまう。
何より、「今からエアドロ(AirDrop)するねー!」と一人がiPhoneを出し、友達が一斉にiPhoneで受け取っているときに参加できないのは悲しいだろう。あとで送ってもらうことにしても、うっかり忘れられる事態も起きる。何となく仲間外れにされている気持ちになってしまうのもやむを得ない。AirDropは1対1でのシェアだけでなく、複数人での共有にもよく使われる点が学生ならではだ。
中高生からは、「iPhoneはゲームしてもカクカクしない」「僕のAndroidはすぐ落ちる」「iPhoneはカメラの画質がいいけどAndroidだと盛れない」などの意見もある。
これは、使っているAndroidがエントリーモデルであるケースがほとんどだからだろう。親がAndroidを買う理由の1つに、「安価だから」がある。Androidにすると3万円台から選択できるため、親がエントリーモデルのAndroidで満足していれば、子どももそれで十分だと考えるはずだ。
一方のiPhoneは、ミドルレンジモデルからハイエンドモデルにあたる。当然価格は高いが、性能も良い。友人のiPhoneと自分のAndroidを比較してしまうと、自分のスマホが劣っていると考えてしまうのだろう。
中高生のスマホの使い方は、動画視聴やオンラインゲーム、撮影、加工、ライブ配信などで、ハイスペックを要するものが多い。しかも、ちょっとうまく動作しないだけでスマホのせいにしがちだ。親としては、自分で稼げるようになってから高いスマホを購入してもらうという教育方針もあるだろう。それは家庭それぞれだ。
それにしても、そもそもOSの違いというよりもスペックの差なのに、「Androidは使えない」と若者に印象づいてしまっているのはもったいない話だ。
女子中高生にとって、スマホのケースは大切なおしゃれアイテムだ。今は、透明ケースの中に「推し」の写真を入れるなどして、自分らしいケースを作ることが流行っている。その際、100円均一ショップなどで透明ケースを購入する。しかし、そのほとんどがiPhone用だ。
また、中高生が好きな雑貨ショップに出掛けても、iPhone用のケースばかりだ。例えば、ドン・キホーテやWEGO、サンキューマートなどでは、中高生が大好きなキャラクターやかわいいデザインのiPhoneケースが手頃な価格でたくさん売られている。そうしたケースが手に入らないことも、Androidを避けたい理由だ。
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