セブン&アイ・ホールディングスは7月17日、カナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタール(以下、ACT)が買収提案を撤回したことについて「決定は不本意」としながらも「想定され得たもの」とする声明を発表した。またACTの発表文には「数多くの」誤った記述があるという。
ACTは、セブン&アイ・ホールディングスに対し、2024年に7兆円規模の買収を提案。当時のセブン&アイ普通株式1株につき2600円という「47.6%のプレミアに相当する」(ACT)提案で、セブン&アイ側も協議開始に同意した。しかしACTは7月16日(現地時間)、セブン&アイ取締役会に宛てた書簡を公表し、「建設的な協議の欠如」を理由として買収提案の撤回を発表した。
書簡では「これまでに実施されたのは厳しく制約されたマネジメント・ミーティングが2回、そして、許容されたデュー・デリジェンス(買収する企業を評価するための情報)については量および内容についてもごく限られたわずか」と協議回数や情報開示についての不満を吐露。さらにセブン&アイ側が意図的に協議を遅延させるような動きをしていたとして「株主に大きな不利益を与えているとみている」。
セブン&アイ側は、協議開始後もMBO(経営陣による買収)の試みなど買収に対抗する姿勢が報じられており、ACT側の主張はそうした動きを念頭に置いたものとみられる。書簡には、創業家である伊藤家に対話を繰り返し求めたが、応じてもらえなかったとも書いてある。
17日の声明で、セブン&アイ側はACTの主張を否定。「当社の特別委員会は、株主利益に資する実現可能な取引の合意を目指し、ACT社と誠実かつ建設的な協議を行ってきた」「ACT社による提案と弊社単独での価値創造の施策のすべての選択肢を並行して追求してきた」とした。
結果としてセブン&アイは買収を回避したが、一方で株価は敏感に反応している。17日に買収提案の撤回が報じられると、それまで2200円前後で推移していたセブン&アイ・ホールディングス株は急落。一時1998円まで下がり、2016円で17日の取引を終えた。
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