2030年までにカーボンネガティブになると宣言した米Microsoftは、余剰有機物を二酸化炭素除去物に変換するソリューションを手掛ける米Vaulted Deepとオフテイク契約を結んだ。Vaulted Deepが7月17日(現地時間)に発表した。
この契約の下、12年間で最大490万トンの二酸化炭素除去を実現する。契約総額などは公表されていない。契約は2038年まで有効という。
MicrosoftはクラウドとAIへの需要に応えるため、データセンターの拡張を継続しており、1月〜3月期だけでも4大陸10カ国で新しいデータセンターを開設した。2020年以降、同社の炭素排出量は25%近く増加しており、2030年までに排出する炭素量を上回る炭素を大気から除去するという計画の実現が不透明になりつつある。
Vaulted Deepのソリューションは、大気中のCO?を含む有機廃棄物を地中深くに貯蔵することで、炭素を除去するというものだ。廃棄物には、バイオソリッド、堆肥、製紙スラッジ、食品および農業残渣などの泥状物質が含まれる。こうした廃棄物を深井戸注入法を用いて、地下数千フィートの不浸透性岩石層で密閉された安定した地層に貯蔵する。このシステムは、炭素を恒久的に除去し、メタン排出量を削減し、PFASなどの微量汚染物質を地域環境に浸透させないようにするのに役立つとしている。
Microsoftは、Vaulted Deepのソリューションは「技術リスクを抑えながら、永続的な炭素除去を実現する、差別化されたスケーラブルなアプローチを提供する」と評価し、「耐久性と信頼性に優れた炭素除去を加速するための幅広い取り組みの一環として、このソリューションを支援している」と語った。
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