Metaは7月24日、若年層をネット上の悪意から守る取り組みとして「ティーンアカウント」の強化を発表した。同時にこれまでの施策による効果も公表。DM(ダイレクトメッセージ)上でヌードと疑われる画像を自動的にぼかす機能は、10代を含む99%の利用者がオンのまま利用しているという。
ティーンアカウントは、保護者による見守りなど10代の利用者が安全に利用するための様々な機能を追加したもので、日本でも今年1月に導入済み。今回は新たに、DMをやり取りしている相手の情報を従来より多く提示するようにした。メッセージ画面の上部には、アイコンと共に相手のアカウントがInstagramに登録された年と月、フォロワーや投稿の数などを表示する。
同じ画面にある「安全に関する情報」をタップするとSNSを利用する上での注意点を提示。さらにやり取りしている相手のアカウントをブロックしたり、運営に報告するオプションも表示する。
Metaは「コミュニティ規定に違反している可能性のあるアカウントを報告しやすくすることで、Metaが審査し、適切に措置を講じることができる」としている。
また、Instagramは13歳未満であっても大人がアカウントを管理していれば利用できるが、今後はそうしたアカウントにもティーンアカウントの保護機能を一部適用する。例えば、DMの受信設定は最も厳しいレベルとなり、攻撃的なコメントをフィルタリングする非表示ワードの機能も有効に。こうした変更は今後数カ月以内に各アカウントに反映される予定だ。
この他、10代の利用者にブロックされたことがある大人が未成年のユーザーを見つけづらくする対策も講じた。互いのアカウントの「おすすめ」に表示しない他、検索でも見つけづらく。そうした大人が未成年者の投稿に対して残したコメントも非表示とする。
ティーンアカウントには、プライベートメッセージに注意喚起したり、不快に感じるものはブロック・報告することを促したりする通知機能があるが、Metaによるとブロックは今年6月だけで100万回、報告も100万件に上った。
DM上でヌードと疑われる画像を自動的にぼかすヌード保護の機能は、10代を含むユーザーの99%がオンにしている。今年6月には、望まないヌード画像が表示されないよう、DMで受信した画像のうち40%以上をぼかした状態にする機能も追加。これはティーンアカウントでは自動的にオンになっている。
また、ヌードだと疑われる画像を転送しようとする利用者に対し、再考を促す通知を表示する機能もあり、今年5月には通知を見たあと画像のシェアを止めたケースが45%に上った。
Metaの専門チームは、性的なコメントを残したり、性的な画像を要求したりしたアカウントを今年初めに13万5千件近く、それらのアカウントと関連するFacebookおよびInstagramのアカウントも50万件を削除した。さらに「子どもたちを搾取しようとする人々は、特定のプラットフォームだけに限定することなく行動する」として、Tech CoalitionのLanternプログラムを通じて、そのようなアカウントに関する情報を他のテクノロジー企業とも共有している。
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