東京大学・松尾研究室発のスタートアップ、IGSA(東京都文京区)は8月1日、50〜70代向けの脳の健康管理サービス「はなしてね」(早期公開版)の無料提供を始めた。2分間の会話からAIが脳の健康状態を解析し、MCI(軽度認知障害)など認知機能の変化に気付くきっかけを提供するという。
「はなしてね」は、スマートフォンのLINEアプリで利用できる音声測定サービス。専用アプリのインストールは不要で、LINEとWebブラウザで完結する。
利用者は、「はなしてね」の公式アカウントをLINEで友だち登録し、「子どもの頃の思い出」「最近の出来事」などのテーマに沿って、独自の質問に答える形で2分間話す。音声は、音響的特徴(言いよどみ、速度、リズムなど)と言語的特徴(語彙、文法、内容など)の観点から同時に解析され、結果はA〜Dの4段階でLINEに届く。必要に応じて15分間の詳細チェックにも進むことができ、これを受けると生活習慣の見直しにつながるアドバイスも提示される。
結果を受け取った後は、脳の健康維持に役立つ体操教室などの地域イベントが提案され、そのまま申し込むことも可能だ。IGSAは「算数や記憶テストを用いた従来のアプリと異なり、自然な発話から測定できることで心理的負担を大幅に削減した」とアピールする。
早期公開版はフィードバックを条件に約1カ月間、無料で提供する。正式版は年額1500円のサービスで、3回まで測定できる。
今後は、自治体による介護予防事業での活用も見込む。IGSAの松島創一郎CEOは、「脳の健康を、体重計に乗るように手軽に把握できる社会を目指す」とコメントしている。
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