九州地方で活躍する映像関係者にとっては毎年恒例となった九州放送機器展(QBEE)が、今年は7月16・17日の2日間、福岡国際センターにて開催された。
場内はビデオゾーン、オーディオゾーン、照明ゾーンに分かれており、2階にはアウトレットなどの即売コーナーや飲食販売ブースもある。小規模ながら、バランスの取れた展示会である。
今回は実際にQBEE会場に足を運び、注目のソリューションの話をじっくり聴くことができた。今回はその中でも、IP・クラウド関連のソリューションを紹介したい。
ソフトウェアスイッチャー「KAIROS」には、最初はローカルサーバで動かすオンプレミス版からスタートしたが、2022年には早くもクラウド版の提供がスタートした。現在はオンプレミス版とクラウド版は、サービス提供の仕方が違うのは当然ながら、機能的にも少しずつ違ってきている。
クラウド版KAIROSでは、この7月15日より新たに、米GlassValleyのクラウド版EDIUSとクラウド上で連携できる新バージョンを提供開始した。クラウド版KAIROS上で録画したファイルをクラウド上でEDIUS Cloudに転送、EDIUSで編集した結果をまたクラウド上のKAIROSに戻して送出するという仕組みだ。
EDIUSは放送業界では比較的採用例が多かったという事と、元々EDIUSを開発している神戸のGlassValleyとパナソニックは別のプロジェクトで連携していたという事もあり、まずEDIUSとの連携という事になったようだ。
クラウド版EDIUSは、ソフトウェア自体がクラウド上で動作するため、ソリューションパッケージとしてもシンプルになっている。KAIROSのクラウド版契約の際に、オプションとして選択するだけだ。
今回はKAIROSクラウド上にあるファイルを、別のEDIUSクラウドに転送するという方法で実現している。したがって、ノンリニアソフトウェア自体がクラウド化されていることは必須ではなく、ノンリニアソフトがクラウド上のドライブにアクセスできる作りになっていれば、連携は可能だろう。
プロユーザーを多く抱えるノンリニアソフトウェアは、リモートワークへの対応として、クラウドストレージを経由しての編集や素材共有、アノテーションなどができるようになっている。今回の連携のように、今後もクラウドスイッチャーと何らかのノンリニアツールのクラウド連携は続くものと思われる。
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