人気ゲームを題材にした映画「8番出口」が8月29日より公開中です。ゲームの8番出口は、簡単に言うと間違い探し。ループする地下通路で起こる様々な異変を見つけながら、ゴールとなる8番出口を目指します。原作ゲームをプレイ済みのボクは、特にストーリー性のないその内容が、一体どのように映画化されるのかが気になり、劇場に足を運びました。
結論から書くと、かなり好印象でした。ゲームで見慣れた地下通路や、そこで起こる様々な異変が見事に実写で表現されています。主演の二宮和也さんのお芝居や、ワンカット長回しなどの独特なカメラワークによって、無限ループする地下通路で異変を探す不安や焦燥感なども表現されていて、まさに予想以上の出来だと感じました。
映画オリジナルのストーリーのほうも、主人公の悩みを軸に、8番出口の世界観とうまく絡めた秀逸な内容だったと思います。同じ通路を何回もループするという画面映えしない内容に変化をつける仕掛けもよくできていましたし、全体的にクオリティーの高い作品だと思います。一方で、よくできたストーリーだからこそ、驚きや意外な展開はなく、その辺は少し退屈に感じました。
他に気になった点として、カメラワークが激しかったり、異変を探すために無意識に画面のあちこちに目を向けることになったりするので、画面酔いする人が出てきそうだなと思います。また、本作は音の演出で恐怖や不安感をあおってくることが多いのですが、その音が大きくて個人的には若干ストレスに感じました。今回は大画面とリアルなサウンドが売りのIMAX上映を見たのですが、今作に限ってはあまりオススメできないかもしれません。
ちなみにホラー演出はあるものの、控えめなのでその点はそこまで心配する必要はないと思います。ただし、津波を想起させる場面があるのでそういったものを見たくない方は注意してください。
映画版8番出口は、不満な部分も多々ありますが、それでも原作ゲームの映画化という意味では文句なしの出来だと思いますし、その一点だけで個人的には大満足でした。Steam版をはじめ、各種コンシューマー機やスマホ版のゲームが発売されていますので、是非ゲームを遊んでから映画を見に行くことをオススメします。なお、Steam版とNintendo Switch/Switch2版には映画に関連した新異変も追加されているので、映画版と是非比べてみてください(2025年8月30日現在の情報です。他機種版も後日追加予定)。
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