丸紅(東京都千代田区)は9月4日、牛の体重をスマートフォンで推定できるiOSアプリ「BeecoProgram 3D Scanner」を、AIスタートアップのフツパー(大阪市淀川区)と共同開発したと発表した。10月から酪農・畜産関係者向けに試験提供を始める。随時、有償での正式提供を開始するとしている。
アプリでは牛の側面を1枚撮影するだけで、体重を最速0.2秒で推定できる。推定にはAIによる画像認識技術と機械学習モデルを用い、黒毛和種・交雑種・ホルスタイン種の3品種に対応。全国約7100件(2025年4月末時点)の体重データを学習済みで、平均誤差率は4.2%をうたう。体重データが増えるほど、推論精度が高まる見込みとしている。
通信環境がなくても利用可能で、撮影から推定・保存までの処理はiPhone内で完結する。対応機種はiPhone 13 Pro以降で、iOS 18.5以上が必要。
算出結果は同社が提供する酪農・畜産業界向けのデータベース「BeecoProgram」と連携可能。個体ごとの成長データを蓄積・分析でき、飼養管理や出荷時期の判断に活用できるとしている。
牛の体重測定は通常、1頭ずつ専用機器に乗せる必要があり、特に900kg近くに達する肉用牛では作業負担が大きい。酪農・畜産における人手不足や高齢化が進む一方、飼養管理や出荷時期の最適化に体重管理は欠かせないため、スマートフォンアプリで迅速に体重を推定できる技術の開発・提供に至ったという。
ネコの感染症、“あぶらとりフィルム”で検出 血液検査の負担かからず 宮崎大学などが新技術
AIで繁殖用豚の体重管理 高価な専用機器、熟練の技不要で“繁殖に適した体作り”へ
ユニクロ、スマホカメラで自動採寸 正面と側面の写真でサイズ推定
養豚をAIで支援する実験スタート ブタの体重・肉質を分析、最適な餌の配合など助言Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR