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6年半の進化、「RICOH GR IV」は最強のスナップシューターかも(2/3 ページ)

» 2025年09月07日 14時51分 公開

 体験会で説明を受ける中で分かってきたのは、GR IVの進化が全方位に渡っているということでした。APS-Cセンサーを使いつつも、まだセンサーが小さかった時代のGRのサイズを実現しようとすれば、そりゃそうなります。レンズユニット、撮像素子、画像処理エンジンという、カメラの心臓部がすべて新開発され、GRらしい、次世代のスナップシューターと呼ぶにふさわしい性能を獲得しました。

こちらは筆者宅で撮影した「GR III」(左)と「GR IIIx」(右)

 GR IVとGR IIIの主要な違いを見てみると、まずレンズ構成がGR IIIの4群6枚(非球面レンズ2枚)から、GR IVでは5群7枚(非球面レンズ3枚)へと進化しています。有効画素数も約2424万画素から約2574万画素へとアップし、画像処理エンジンもGR ENGINE 6から新世代のGR ENGINE 7へと刷新されました。手ブレ補正は3軸から5軸へと強化され、内蔵メモリーは約2GBから約53GBへと大幅に増量されています。

 5軸手ブレ補正システムは、シャッター速度換算で約6段分という補正効果を実現。これにより、暗いシーンでの手持ち撮影の可能性が大幅に広がります。さらに、GRシリーズ最速となる約0.6秒の高速起動も実現しており、シャッターチャンスを逃さない速写性を追求しています。

 他にも、従来のSDカードスロットがmicroSDカードスロットに変更されています。しかし、内蔵メモリーが約53GBへと大幅に増量されたため、実質的には内蔵メモリーでの運用が基本となります。SDカードスロットの廃止は大きな決断だったことが想像できますが、薄型化に必要だったのかもしれません。

GR IVの背面。右上に復活した露出補正ボタン(+/-)があります。GR IIまでの伝統的な操作感が戻ってきました

 GR IVを実際に使って印象的だったのは、GR IIまで搭載されていた露出補正ボタンが復活したことです。瞬時に露出を調整したいスナップ撮影において、専用ボタンの存在は大きな効果を発揮します。このダイレクトな操作感こそ、GRが長年培ってきた伝統です。

GR IVの液晶画面に表示されるハイブリッドAFシステム。緑の枠が被写体を正確に捉える様子が分かります

 GR IVは、像面位相差検出とコントラスト検出を組み合わせたハイブリッドAFシステムを搭載しています。常用感度もISO100から204800までと非常に広く、暗所での撮影能力が格段に向上しています。

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