現代のカメラにとって、撮影した写真をいかにスムーズに共有できるかは、非常に重要な要素です。GR IVは、最新の無線LAN規格であるWi-Fi 6(IEEE802.11ax)に対応。スマートフォンやタブレットへの高速な画像転送を実現し、撮影したその場でSNSに投稿したり、友人と共有したりすることが容易になりました。
Bluetooth v5.3も搭載しており、スマートフォンとの常時接続が可能です。これにより、カメラの電源がオフの状態でも、スマートフォンからカメラ内の画像を確認したり、位置情報を写真に記録したりすることができます。
もう一つ、注目してほしいのは、新たに開発されたGRシリーズ専用アプリ「GR WORLD」です。このアプリを使用することで、スマートフォンへの画像取り込みやリモート撮影、カメラへの位置情報送信など、スマートデバイスとの連携がより快適になります。
あと、細かい話ですが、アプリに「GR」という言葉が入ってくれたおかげで、スマホでアプリを探しやすくなりました。地味だけど、大事なことです。
GR IVと同時に発表された専用フラッシュ「RICOH GF-2」も面白いアクセサリーです。近年、インスタグラムを中心としたSNSでフラッシュを使った写真が流行していることを背景に、GRユーザーのニーズに応える形で開発されました。
このフラッシュの最大の魅力は、その実用性の高さです。重量わずか約19g、価格1万8040円という軽量・低価格を実現しながら、カメラに装着したままポケットに入れて持ち運べるサイズ感を実現しました。つけっぱなしでも気にならない設計は、スナップシューターとしてのGRの哲学にも合致しています。
GR IVとの組み合わせでは、ISO AUTOに設定することで被写体距離に応じてガイドナンバーとISO感度をカメラ側で自動制御する自動調光撮影に対応。USB Type-C充電式のリチウムイオン電池を内蔵しており、約270回の発光が可能です。
RICOH GR IVは、6年半という長い歳月をかけて、まさに“正常進化”を遂げたカメラです。奇をてらうことなく、ひたすらにスナップシューターとしての本質を突き詰め、撮影者がより快適に、より直感的に写真と向き合えるよう、細部に至るまで徹底的に磨き上げられています。
市場想定価格は19万5000円前後と、コンパクトカメラとしては決して安価ではありません。GR IIIの値段を考えれば、倍近い価格設定になりました。昨今の経済状況やシリーズの人気ぶり、そしてGR IVのサイズとスペックを考えればやむなしという金額ではないでしょうか。
例えば、操作性やホールド感に不満があるGR IIIユーザー、スナップ撮影が好きなストリートフォトグラファー、高品質なコンパクトカメラを探している方などには魅力的な製品になると思います。一眼レフやミラーレスに匹敵する画質を、ポケットに入れて持ち運ぶ。GR IVは、その夢を叶えてくれます。
なお、渋谷区神宮前にある「GR SPACE TOKYO」では、10月27日まで実機展示を行っています。薄型化による操作性の向上や、グリップの深さによるホールド感の改善など、スペック表では伝わらない部分に触れる貴重な機会となるでしょう。
単焦点と動画に二極化した? コンデジの現在地
リコー「GR IV」開発発表、待望の新型コンパクトデジカメ 25年秋発売へ
写真愛好家の新たな“聖地”「GR SPACE TOKYO」が原宿にオープン 「スマートに写真を紹介する場所に」
リコー、「GRシリーズ」の受注を一時停止 生産追いつかず
真夏にエアコンが壊れた! 猛暑の3日間をなんとか生き抜いたマンガ家のサバイバル術とは?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR