キリンホールディングスは9月9日、微弱な電流で減塩食品の味を引き立てる食器「エレキソルト」シリーズの新製品を発売した。すでに発売していたスプーンをリニューアルした他、新たにカップをラインアップとして加えた。
エレキソルトは、食品に微弱な電流を流すことでナトリウムイオンを舌に引き寄せ、塩味やうま味の知覚を高めるという減塩サポート用の食器。明治大学との共同研究で開発した電流波形技術を採用しており、塩味を最大約1.5倍に強める効果があるとうたう。2024年5月発売の初代スプーンは12月までに2650台と「想定の7倍超」の販売実績があり、うちプレゼント用としての需要が6割に上ったという。
新製品のカップは「スプーン以外の形態も欲しい」「スプーンを使わずに汁物を食べたい」といったニーズに応えて開発。リニューアルしたスプーンでは小型化を進めた他、食洗機対応を実現した。価格はそれぞれ2万6950円、2万4750円。いずれも3Vリチウムコイン電池(CR2032)で動作し、電流の強さは3段階から選べる。
開発には、美容家電メーカーのヤーマンが協力。イオン導入美顔器の技術を応用し、安定した電流制御や防水構造を実現したという。
販売は公式オンラインストアで同日開始し、11月以降はハンズやビックカメラなどでも取り扱う予定。2026年にはアジア圏での販売も視野に展開を進めるとしている。
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