全体を見てみると、今回のiPhoneはどれも「新規設計による変化をバッテリー動作時間につぎ込んだ」という印象が強い。
実際、新プロセッサーである「A19」「A19 Pro」について、速度のアピールは例年よりも少ない。トランジスタ数なども言及がなかった。だが、スペックをみるとどのモデルもバッテリー動作時間が大きく伸びている。
「iPhone 16」と「17」では最大8時間、「16 Pro」シリーズと「17 Pro」シリーズでは最大6時間、バッテリー動作時間が長くなった。(いずれもビデオ再生時)
サイズは大きく変わっていないが、バッテリーパックの容量アップと消費電力の低減により、これだけの変化が起きているわけだ。実際の使用シーンでどれだけのインパクトがあるかが気になる。
また、特に「iPhone 17 Pro」シリーズの場合、発熱低減効果が大きそうな印象を受けた。
現行モデルは、チタン合金のフレームを採用、素材の硬さで強度を実現していた。だが「iPhone 17 Pro」シリーズでは、アルミ合金を使った「Unibody」を採用。構造によって剛性を維持する施策に変えた。アルミ合金の方が放熱性能は20倍も高く、ヴェイパーチェンバーの効果もあって熱は逃げやすい。
その上で、手持ち部分ではなく上部にメインボードを集め、熱源自体が手のひらに触れづらい設計になった。
その結果として、「iPhone 16 Pro」シリーズに比べても、「iPhone 17」と比べても、「持った時に熱を感じづらい」設計になっている。この点は、カメラにしろゲームにしろ、ガンガンと負荷の高い処理をする「Pro」モデルを好む消費者にはプラスの要素ではないだろうか。
今回は日本モデルでも、全機種で「SIM」カードスロットが廃止され、「eSIM」のみの対応となった。
ディスプレイやバッテリーは別にすると、「SIM」カードスロットは、もはやスマホの中ではかなり大きなパーツの1つだ。それを外すことができれば、薄さの追求にもバッテリーの容量アップにもプラスに働く。
「eSIM」に変えることに不安を感じる人も多いと思う。一方で、多くの利用者の不満が「バッテリー動作時間」に集中しているところを考えると、「可能なら『eSIM』のみにしたい」というのは、スマホメーカーとしては自然な発想だろうと思う。
携帯電話事業者がどのような体制をとって対応するのか。発売に向けては、その点のアナウンスに気を配っていただきたい。
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