スウェーデン王立科学アカデミーは10月7日(現地時間)、今年のノーベル物理学賞に、「超電導回路での巨視的トンネル効果とエネルギー量子化」を発見したとして、カリフォルニア大学バークレー校のジョン・クラーク氏など米国の研究者3人を選出したと発表した。今年は量子力学が誕生して100年。この研究は量子暗号や量子コンピュータ、量子センサーといった次世代技術の開発につながったという。
受賞したのは、ジョン・クラーク氏、イェール大学およびカリフォルニア大学のミシェル・デボレ氏、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のジョン・マルティニス氏。量子効果は原子のような非常に小さな粒子で現れ、粒子の数が増えてサイズが大きくなると通常は無視できるようになる。受賞した研究では、手のひらに収まるような大きなシステムでも量子トンネル効果やエネルギーの量子化が現れることを実証した。
大きなシステムでも量子現象を制御できるようになったことで、量子暗号や量子コンピュータ、量子センサーなどの次世代技術が発展。ノーベル物理学賞委員会のオーレ・エリクソン委員長は「100年の歴史を持つ量子力学が、常に新たな驚きをもたらし続けていることを称えられるのは素晴らしいことです。量子力学はあらゆるデジタル技術の基盤であるため、非常に有益でもあります」とコメントした。
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