シャープは10月24日、2027年度に電気自動車(EV)市場に参入すると発表した。24年に発表した「LDK+」コンセプトを進化させた第二弾モデルを30日に開幕する「Japan Mobility Show 2025」で公開する予定で、これをベースにした製品の発売を目指す。
前回のLDK+はミニバンサイズのワンボックスカーだったが、今回は鴻海科技集団(Foxconn)が開発中の5人乗りEV「Model A」をベースとするコンパクトミニバンになった。運転席を後ろ向きに回転させると後部座席と対面し、リビングのような空間になる。
運転席と助手席の間にはテーブルやプロジェクターを備えたコンソールボックスを配置。後部座席の上部にあるスクリーンを降ろせば、オンライン会議や映画の視聴も可能。スピーカーも多めに配置するなど、シアタールームやリモートワークスペースとして提案する。
この他、プラズマクラスターイオンをクルマ向けに改良したエアコントロールシステムなども検討中。シャープのAIoTプラットフォームを通じて家の中にある家電やV2H(Vehicle to Home)とも連携し、素早いレスポンスが期待できるエッジAIでユーザーの生活パターンや好みを学習、新しいライフスタイルを作り出す。Japan Mobility Showでは、より具体的な利用シーンのムービーを公開する予定だ。
シャープの種谷元隆専務執行役員CTOは「車は保有時間の95%は停まっているだけ。高いお金を掛けても移動以外の時間が多い。LDK+は“家の一部”として使えるクルマを目指す」と話す。
プロジェクトチームを率いるのは、自動車メーカーで20年以上のキャリアを持つ大津輝章さん。大津さんによるとターゲットはファミリー層で、価格帯についても「ファミリーが手が届く価格帯を目指す」という。「ユーザーニーズが多様化する中、シャープの技術を利用して、既存カーメーカーが対応していない部分を取り込む」と話している。
販売ルートについては、家電量販店や住宅メーカーなど幅広く交渉中。自前の販売網を構築するわけではなく、パートナー企業を募り一緒に開拓していくとしている。
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