1月6日〜9日まで米ラスベガスで開催された「CES」。メイン会場の1つである「Las Vegas Convention Center」(LVCC)のNorthホールを覗くと、どこもかしこも人型ロボだらけだった。それだけでなく、Westホールには米Boston Dynamicsの親会社である韓国Hyundai、Centralホールには韓国LGや中国Hisenseなど、いたるところでロボットに触れる機会があった。
少し前まで人型ロボといえば、夢のテクノロジーの代表格だったが、ここ数年で急速に進化。CES会場にもその波が訪れていた。特に印象的だったのが中国メーカーの大量進出と、Boston Dynamicsの圧倒的な完成度だ。
Northエリアには多くの人型ロボで溢れていたが、中国メーカーが数で圧倒していた。代表的なところだと、日本でも最近見かけるようになったUnitree Roboticsだろうか。どこかの企業が「人型ロボでPoCやりました」系のリリースを出した場合、大抵ここのロボットが使われている。GMOの「熊谷ロボ」の素体も、Unitreeの「G1」というモデルだ。
ブースを覗くと人間 vs.ロボットのキックボクシング大会が行われていた。参加者を募り、リングに上げてロボットと戦わせる。ロボットは遠隔操作だ。モデルはおそらくG1で、人間と比べるとだいぶ体格差があるが、人間が繰り出す(幾分か配慮のある)パンチやキックを受けても後退りしながら持ちこたえる。
この高度な歩行制御を1体300万円程度のロボットで実現してしまうのに驚くが、これをエンタメショーにしてしまうのも中国らしい。なお、容赦なく蹴りを入れてロボットを吹っ飛ばす参加者もおり、この個体は何度か立ち上がるも次の対戦でフラフラとなり最終的にダウンしていた。途中でUnitreeのスタッフが制止に入ったが、正直あまり見ていて気持ちいいものではない。
Unitreeの隣にブースを構えるのは、同じ中国のENGINE AI。ここもロボットに格闘技をさせることでバズを生み出している1社で、最近は「T800」なる、ターミネーターを彷彿とさせる型番のロボットがCEOを蹴り飛ばす動画を公開して注目を浴びていた。
会場にはロボットがずらりと並べられており、パンチやハイキック、受け身など、まるで人間のようなモーションを次々披露した。これだけ激しい動きを連続で繰り出しても全くバランスを崩さないのだから驚きだ。ただ、こちらも遠隔操作。歩行は少しぎこちなく、上記のモーションを行う時に一瞬ピクッとボディが震える。どうやらパンチやハイキックは特定の動作パターンとしてあらかじめプログラムされているもののようだ。だからといって高度な姿勢制御をけなすつもりは毛頭ないが、自律動作でのモーションというわけではなさそうだ。
これだけではない。元ファーウェイの「天才少年」こと彭志輝氏が立ち上げた「AgiBot」もブースを出しており、二足歩行ロボに多くの人だかりができていた。 他に紹介できないぐらい会場を歩けば必ず人型ロボにぶち当たるレベルで多種多様のロボットが集まっており、家電大手Hisenseですらしれっと二足歩行ロボを置いていた(おそらく中身はAgiBot製)ほどだ。
これらの人型ロボの多くは家庭用・エンタメ用だったり、簡単な業務をこなしたりするものが多かった。これは単に「そちらの方が目を引くから」というのもあるだろうが、今の人型ロボがどこにニーズがあるのか、そして技術的限界がどこかを示しているように思う。多くは遠隔操作か、パターン化されたタスクをこなすもので、自律動作できる範囲も限られたものといえる。
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