1月19日に発生した太陽フレアに伴う宇宙天気の乱れは、学生が作った超小型衛星にも影響を与えたようだ。千葉工業大学「高度技術者育成プログラム」の公式Xアカウントは1月21日、「フレアの影響でBOTANは数週間の寿命が溶けてしまいました。。。」と悲痛な投稿をした。どういうことか。
BOTANは、千葉工業大学「高度技術者育成プログラム」で学生たちが作るキューブサットの4号機。キューブサットと呼ぶように、一辺が10cmの立方体で、2023年から1年4カ月をかけ、当時2年生だった学生達が作った。
BOTANは25年9月に米Space Xの「Falcon 9」ロケットで打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)に輸送された後、10月10日にISSから放出、軌道に投入。運用初日に地球の撮影や一般アマチュア無線家へのメッセージ送信、新しい太陽電池セルの実証といった初期ミッションを次々とクリアするなど、その完成度の高さを示した。
現在はオーロラの観測や太陽フレアの影響調査、ジャイロセンサを用いた衛星姿勢情報の収集などを行っている。ただし低軌道で運用されるキューブサットは大気抵抗の影響を受けやすく、BOTANも運用開始から徐々に高度が下がっていき、いずれは大気圏に再突入して燃え尽きる運命だ。
今回の太陽フレアの影響は比較的大きかった。爆発の規模こそ「X1.9」と、2025年11月に発生した「X5.1」などに比べれば小さかったものの、これに伴って発生した高エネルギー粒子の量が「23年ぶり」というレベルで、地球周辺の宇宙天気は大荒れ。米海洋大気局(NOAA)は地磁気嵐などへの警戒を呼び掛け、日本の情報通信研究機構(NICT)が運用する宇宙天気イベント通報システム「SAFIR(セイファー)」は運用開始後、初めての警報を出した。
SAFIRは、通信・放送や宇宙システムの運用、航空などの事業分野に影響する宇宙天気現象の情報を迅速に伝えるためのシステムだ。そうした現象の中でも低軌道の人工衛星にとって怖いのは、地磁気嵐の影響で大気上層の密度が増し、人工衛星が受ける抵抗が増えること。急に衛星の高度が下がり、再突入までの期間が短くなったり、最悪の場合は再突入してしまうことも。22年2月に発生した太陽フレアでは、米SpaceXのStarlink衛星が40基以上も失われた。
では、BOTANの状況はどうだったのか。
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