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卒業研究は“レールガン” 米海軍兵学校の学生が自作、2022年に発表 マッハ1で弾丸を発射ちょっと昔のInnovative Tech

» 2026年02月20日 08時00分 公開

ちょっと昔のInnovative Tech:

2019年の開始以来、多様な最新論文を取り上げている連載「Innovative Tech」。ここではその番外編として“ちょっと昔”に発表された世界中の個性的な研究論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。X:@shiropen2

 2022年、米海軍兵学校の士官候補生7人が、卒業研究プロジェクトとして移動式レールガンシステムを開発した

車体に装着したレールガン

 レールガンとは火薬ではなく電磁力で弾丸を発射する装置で、日本でも防衛装備庁が研究開発を進めている。洋上射撃の実験を行い、その様子を映した動画も公開している。

(関連記事:放てレールガン! 防衛装備庁が洋上射撃実験の動画を公開

 士官候補生たちが開発したレールガンはマッハ1(時速約1240km)で弾丸を発射でき、自動装填機能により1時間に30発の射撃が可能となっている。

 当時レールガンを開発したカルロス・ペレスさんら7人は、電気・コンピュータ工学科のジョン・スティーブンス大佐とクリス・マルティーノ中佐の指導のもと、合計100時間以上をこのシステムの開発に費やしたという。

 ペレスさんは「高校時代からレールガンの物理学に魅了されてきた。物理学を学びたいと思った理由の一つであり、このチームに入るために懸命に努力した」と語っている。

 このプロジェクトは当時、4年目の継続研究だった。3年目のチームが研究室内での組み立てと発射に成功したのに対し、ペレスさんたちのチームは回路の小型化、代替電源の確保、4輪駆動のポラリス車両への搭載を実現し、大きく前進させた。

 スティーブンス大佐は「9年間士官候補生の卒業研究を指導してきたが、範囲、リスク管理、運用試験の面でこれほど難易度の高いものはなかった。国防総省の用語で言えば、概念実証段階から実運用環境でのシステム試作実証まで到達した」と評価している。

 なお26年2月19日時点では、後継機などの発表は確認できていない。

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