wenaの根底にあるのは「思い入れのある、思い出のアナログ時計をデジタルの力でサポートする(守る)」という唯一無二のコンセプトです。現代のスマートバンドに近いハードウェア構成に進化しつつも、腕時計としての装着感と世界観を守り抜くこと。それを徹底的に磨いてきたのが、今回の「wena X」というわけです。
特筆すべきはその小型化という進化です。wena 3と比べて全長が8.5%小さくなり、世界最小サイズのフルカラーディスプレイ搭載スマートウォッチを実現しました。さらに、本体は腕の曲線に沿ったカーブ状に設計されており、小型化とカーブ形状の相乗効果によって、装着時の腕へのなじみやすさが格段に向上しています。「腕時計としての装着感を追求するためにモジュールの小型化を追求してきた」という對馬さんの言葉が、まさにこの設計思想を体現しています。
このサイズを実現するために、ハードウェアとソフトウェアの両面で様々な技術が投入されています。ハードウェア面では、金属外装自体をアンテナとして活用することで、アンテナ部品を削減。さらに、金属外装はMIM(金属粉末射出成形)とNC加工を組み合わせた手法で作られており、筐体、アンテナ、内部部品の一部の3役を1つの部品で担っています。
素材についても妥協はありません。他社のスマートウォッチがアルミニウムや樹脂を採用しているものが多い中、wena Xは高品質なステンレス「SUS316L」を使用し、腕時計としての質感や独自性にもこだわっています。
ソフトウェア面でも、超省電力の独自OS「wena OS」を採用しています。一般的な汎用OSは多機能で高性能ですが、電池持ちが悪いという弱点があります。しかし、wenaはこの1つのデバイスに特化して開発しているため、非常に細かくスリープ制御を行うことで電池サイズを極小化することに成功しています。一般的なスマートウォッチが約300mAhのバッテリーを搭載しているのに対し、wena Xはわずか80mAhで1週間の電池持ちを実現しています。
もう一つの大きな進化が、ヒンジ設計の自由度が上がったことです。wena Xでは、「腕時計の姿とスマートバンドの姿を行き来することができる」という新しいコンセプトを打ち出しています。
バンド部分を取り外して時計部分を付けることで、簡単にスマートウォッチの姿と腕時計の姿を切り替えることができる「ワンタッチバンド切り替え」。これこそが、wena Xの最大の特徴です。この機構により、ユーザーは仕事中はアナログ時計のエレガントな姿で過ごし、ジムや睡眠時にはスマートバンドの姿に切り替えて運動や睡眠のトラッキングを行うといった使い分けが可能になります。思い入れのある腕時計を、シーンに応じて使い分けられる。これこそが、wenaが本来やりたかった姿なのです。
ハードウェアだけでなく、ソフトウェア面でも腕時計の世界観を壊さないという姿勢が徹底されています。wena XのUIは、基本的に細い線とシックな色しか使っていません。一般的なスマートウォッチはスポーツ向けに太い文字と見やすいビビッドなカラーを採用していますが、それでは腕時計の世界観を壊してしまうという考えから、独自のカラーパレットを用意し、そのパレットの色しか使わないという制約を設けています。
「時計のフェイスよりも目立つようなUIやデザインは適切ではない」。この思想が、細い線とシックな色という独自のデザインを生み出しました。しかも、黒い部分を増やすことで消費電力も抑えられるという、一石二鳥の効果もあるのです。
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