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5日で3億円達成! 「wena X」が原点のクラファンで見せた見事な“復活劇”(3/4 ページ)

» 2026年03月26日 19時45分 公開

スマートバンドとしての機能強化:運動と睡眠の大幅強化

 wena Xは、スマートバンドスタイルでも使えることから、運動と睡眠の機能を大幅に強化しています。特に睡眠に関しては、東京大学発の睡眠テックスタートアップであるアクセルスターズと業務提携を結びました。

 アクセルスターズは、医学研究に基づいた高精度の睡眠計測技術を持つ企業で、AIとデータサイエンスにおける研究開発能力が非常に優れています。この医科学研究におけるネットワークとAI技術の両方を持つアクセルスターズと共同で、wena X向けのAI睡眠分析機能を開発していくというのです。

 運動面でも、130種類以上のエクササイズに対応し、トレーニング効果、有酸素/無酸素トレーニングの負荷、筋肉の回復度と回復時間、VO2max、フィットネス年齢などを計測できるようになっています。

歩数(5059歩)、睡眠時間(8時間3分)、心拍数(78bpm)を一画面で確認できるヘルスダッシュボード

 そして、これらの運動データや睡眠データは「ヘルスログデータ」として国内サーバに保管され、自社で管理されるという点も、日本発のスマートウォッチならではの安心感につながっています。

 wena Xには、NFC決済機能とジェスチャー操作機能が搭載予定です(現在開発中)。決済に関しては、国際ブランド対応に向けて開発を進めています。Suicaをはじめとするフェリカ(FeliCa)への対応は難しいという判断になっていますが、国際ブランドのタッチ決済に対応することで、将来的な海外展開も視野に入れています。

 ジェスチャー操作に関しては、トントンと腕を叩いたり、指をパチンと鳴らしたり、デコピンをしたりすることで操作したり、特定のアプリケーションを起動したりできるようになる予定です。

 また、wena XにはChatGPTとの連携機能も搭載されます。搭載されているマイクに話しかけるだけで、簡単にいろんなことに回答してもらえるというわけです。

Wenaユーザーからの声が原動力

 今回のクラウドファンディングが開始5日で3億円を突破するという異例の成功を収めた背景には、何があったのでしょうか。

 對馬さんは「前回のwena wristのクラウドファンディングの1億円を超えることを目標にしていたが、たった1日でそれを大幅に上回るご支援をいただいた」と驚きを隠しません。

 そして、對馬さんが特に印象的だったのは、ユーザーからの声の質だったといいます。「一般的なクラウドファンディングでは『応援してます』『期待してます』といった声が多いが、今回は『ありがとう』『待ってました』という声を多くいただいている。これまでwenaを愛用いただいている皆さまに支えられていることを、改めて実感した」。

 wena 3のサポート終了が発表された後、修理拠点にも「1番気に入ったガジェットだ」「使っているので後継機を出してほしい」といった声が数多く寄せられたそうです。ニッチな商品ではあるものの、使っていただいているお客様からは非常に愛着を持って使われている。その思いに応えたいという気持ちが、今回の独立起業の決意につながったのです。

 そもそも、15年に登場した初代「wena wrist」も、ソニーの社内新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program(SAP)」から生まれ、クラウドファンディングで産声を上げたプロジェクトでした。今回のクラウドファンディングでの再出発は、まさに原点回帰とも言える熱い展開なのです。

手書きのデザインスケッチノートと、開発過程で生まれた数多くの試作品。この積み重ねがwena Xを生んだ

 wena 3のサポート終了は“2026年2月”に決まっていました。手元に製品が届くのは12月とまだ先の話ですが、その間隔を埋めるように、サポート終了の直後の3月にクラファンを開始したというのが、今回のタイミングの意図です。wena 3ユーザーに、サポート終了後も長い空白期間を作らずに次の選択肢を示したいという、開発チームの思いやりが感じられます。今からその到着が待ち遠しいという期待感でいっぱいです。

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