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AIで「人間が頂点の時代終わる」――孫正義氏が考える2040年 人類が生きる道は“スーパーヒューマン化”(2/2 ページ)

» 2026年07月14日 20時00分 公開
[梅林日奈子ITmedia]
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人類の生きる道は「スーパーヒューマン化」

 孫氏は、15年後のAIがどこまで進化しているかも語った。同氏いわく、生命がバクテリア以来「自己増殖」と「自己進化」で進化してきたように、AIエージェントも同じアルゴリズムによって進化する。増殖は100兆個では止まらず1000兆個へ向かい、この流れは止められないとした。

 「エージェントが100兆個いたら、地球上の生命体の中で1番多い数の生命体はエージェントになるわけです」「日本で止めようとしたってアメリカ動くわけです、アメリカが止めようとしたって中国は動くわけです」(孫氏)。

photo AIエージェントは「自己増殖」と「自己進化」で増えていく(Softbank World 2026)

 では、その世界で人間はどう生きるのか。その答えとして孫氏は「スーパーヒューマン化」を提唱した。「エージェント中心の地球生命体になったら我々どうしたらいいかということを我々は考えるべきだと思うんですね。それを拒否するのではなくて、それと共に進化をするということが必要になると思うんです。共に進化するということは何かというと、ヒューマンもスーパーヒューマンになるということであります」

photo 「スーパーヒューマン」の概念(Softbank World 2026)

 そのうえで孫氏は、人類はこれまでもスーパーヒューマン化を続けてきたとした。「自分が歩くよりも早いスピードで動けるようになったわけです。それは自動車ですよね。自分が飛べる高さよりも高く飛べるようになった、それは飛行機ですよね」。テレビもラジオも、目や耳の能力を延長する道具だったという。

 ただし、いずれも手足の延長にすぎなかった。「今度は初めて頭脳の延長ができるわけですね。スーパーヒューマンとしてのクライマックスがここから始まるんです」。超知性を身にまとうことが、人類の次の進化になるという見立てだ。

 その具体像が、自らのエージェント化だ。自分の思考体系や経験を専用エージェントに学習させて育てれば、「これやっといてくれ」と指示するだけで、テニスや散歩の間も夜中も分身が働き続ける。「自分自身のエージェントを持たなかったらその人の進化は終わるわけですね」と述べた。

 肉体労働はヒューマノイドが担い、40年には10億体が生まれると予測した。「働きの度合いとしては1体で10人分くらい。ということは、100億人の仕事をしている」と語り、労働の主役が人類からヒューマノイドに移るとする。その間人間は、「自分が1番やりたいことをやればいいんです。自分が1番感動すること、自分が今1番やりたいこと、家族と一緒に旅行に行くとか、テニスをするとか、絵を描くとか」と自身の考えを披露した。

photo 肉体労働はヒューマノイドが担う(Softbank World 2026)

 健康寿命の延長もスーパーヒューマン化の一部だ。孫氏は「10年間の自分の命に、皆さんいくら払いますか」と問いかけつつ、AIによるパーソナライズ医療で残りの健康寿命を10年延ばせるなら「自分の生涯稼いだものの3割ぐらいは払っても惜しくないかなと。いや5割払ってもいいぞとということになる」とした。そこに巨大なAI産業が生まれるとみる。

 また孫氏は、企業がAI投資を判断する物差しとして、Return on Assetならぬ「Return on AI」を提唱。「AIにかけるコストに対して、結果どのくらい生産性が上がったか。払う価値があったか」を測る指標で、「3年くらいのスパンで今これを買えば、少なくとも3年以内ぐらいに投資したものを超えるリターンが来ると信じたならばとことんやるべきだ」とした。そのうえで、経営者の一番大切な仕事は「自分の会社でAIだぞ!ということを叫んで、叫び続けていく」ことだと述べた。

photo AI投資を判断する新たな経営指標「Return on AI」を提唱(Softbank World 2026)

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