「Facebook」日本語版公開 “実名交流”でmixi追撃
MySpaceに次ぐ世界第2位のSNS「Facebook」の日本語版が公開された。翻訳にはユーザーも参加。実名によるコミュニケーションとユーザーが開発した豊富なアプリを強みに、ユーザー数を拡大する。
米Facebookは5月19日、SNS「Facebook」の日本語版を公開した。同日、創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグ氏(24)が来日して会見し、「mixiやMySpaceにない強みは、Facebookは実名での利用を推奨しており、情報の信頼性が高いこと」などと述べた。
FacebookはMySpaceに次ぐ世界2位のSNS。世界で7000万人のアクティブユーザーがおり、3分の2は米国外のユーザーという。(1)実名登録を推奨し、リアルの友人同士の交流の場と位置付けていること、(2)APIを公開し、外部開発者が自由にアプリケーションを開発できること――が特徴だ。
ザッカーバーグCEOがハーバード大学在学中の2004年2月、友人と情報共有するために、大学生限定SNSとして開設した。06年9月に、学生以外でも登録できるよう変更し(SNSのFacebook、学生向けから一般公開へ)、ユーザー数が拡大。07年10月にはMicrosoftから2億4000万ドルの出資を受けている。
日本語翻訳も“ユーザー参加型”で
FacebookはIDを取得すれば誰でも利用可能。電話番号や住所、出身校などプライベートな情報を登録することができ、情報の公開範囲を細かく指定できる。
Twitterのようにひとことコメントを更新する「近況アップデート」機能や、フォトアルバム、動画投稿、コミュニティー作成、ユーザー間でのメッセージのやりとりなどが可能。友人の更新情報を受け取る機能も備えている。
「自分たちだけでアプリケーションを開発するのは限界がある」――07年5月に、競合SNSに先駆けて外部の開発者向けにプラットフォームを公開(Facebook、プラットフォームを「オープン」に)。30万人を超える開発者が参加し、これまで2万以上のアプリケーションがユーザー公開され、今も1日当たり140のアプリが追加されているという。
英語版、スペイン語、ドイツ語、オランダ語、フランス語、イタリア語、ポーランド語、ノルウェー語を公開済み。日本語版は、430人の日本人ユーザーが約3週間、ボランティアで翻訳し、同社とプロの翻訳者がチェックして公開した。携帯電話からもアクセスできる。
実名推奨でmixi追撃
日本のSNSは、PC向けではmixiの一人勝ちが揺るがない状況。携帯電話では「モバゲータウン」や「GREE」が確固たるユーザー基盤を築いている。世界最大のSNS「MySpace」もソフトバンクと組み、06年11月に日本に参入したが、攻めあぐねている状況だ。
競合にない強みとしてザッカーバーグCEOは「リアルピープル・リアルコネクション」を挙げる。
「Facebookは実名登録を推奨しており、実名で利用するのがユーザー間の常識になっている。実名なら友人を見付やすいし、信頼性のある情報を共有できる。米国では(実名登録を推奨していないオープン型の)MySpaceより急速に伸びており、世界でもユーザーが増えている。信頼できる相手と情報を共有したいという気持ちは世界共通のものだろう」
主な収益源は広告で、ユーザーの属性を指定して広告配信したり、広告主が自分のページを作成できる「Facebook Ads」など、SNSの特性をいかした広告モデルを展開している。Microsoftの広告配信プラットフォームも活用。日本語版にも同プラットフォームから日本の広告を配信している。
日本ではまずユーザー数を拡大し、その後広告事業の展開を検討していく方針だ。
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