「33歳のVTuber」、掲示板のコメントに発信者情報開示請求→東京地裁が棄却 裁判例がWebで公開
東京地方裁判所は、あるVTuberが発信者情報開示請求に失敗した裁判例を公式Webサイトで公開した。「5ちゃんねる」の書き込みに対して、プライバシーや名誉感情、著作権などが侵害されたと主張したが、原告側の主張は全て棄却となった。
東京地方裁判所は2月9日までに、あるVTuberが発信者情報開示請求に失敗した裁判例を公式Webサイトで公開した。原告であるVTuberは「5ちゃんねる」の書き込みに対して、プライバシーや名誉感情、著作権などが侵害されたと主張。ソフトバンクに対して、発信者情報の開示を要求したが、原告側の主張は全て棄却となった。
5ちゃんねるでは2022年8月ごろに、原告のVTuberに関するスレッド「C・B・D【庇わなかればよかった】」(B、C、Dは原告の3種の活動名義)が立ち、その中で「33歳で『ナイフ舐める』『ぶっ殺してやりたい』とか言うのやめた方がいいよ 普通にキモいよ 自分の年齢考えて!」(原文ママ)という書き込みがあった。これに対して、VTuber側はプライバシー侵害と名誉感情侵害を主張した。
原告側の「33歳で」の記載はプライバシーを侵害するという訴えに対し、東京地裁は「『B』と『年齢』をネット検索すると、年齢のみならず生年月日などまでも多数表示され、原告の年齢は、インターネット上で広く周知されていることが認められる」と判断。該当の投稿は、プライバシーを侵害するものとはいえないと結論付けた。
名誉感情侵害については、原告の「ナイフ舐める」「ぶっ殺してやりたい」発言に対して、やめた方がいい旨などの意見を述べたものであるとし「これらの意見を述べることが、社会通念上許される限度を超える侮辱行為であることが明らかとは言えない」と説明した。
この他にも、別のスレッドにて原告の自撮り画像がアップロードされているURLへのリンクを記載した書き込みに対して、著作権侵害などを主張したが、裁判所はこれらも認めないと判断。原告の主張は全て採用されず、発信者情報の開示は行われなかった。
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