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iOS、Android、Windows──それぞれのタブレットを知って正しく選ぶSOHO/中小企業に効く「タブレット」の選び方(第2回)(3/3 ページ)

タブレットの導入を考えた場合、iOS、Android、Windowsの中からどのOSを選ぶかが重要になる。これらの特徴について、利用者および管理者の視点から紹介しよう。

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Windowsタブレットの特徴

ビジネス利用を想定したデルの10.8型Windows 8.1タブレット「Venue 11 Pro」

 こうしたiOSとAndroidの争いに、2013年の半ばから本格的に参戦してきたのが、Windowsタブレットだ。Windows 8の改良版であるWindows 8.1が2013年10月に登場し、搭載タブレットが続々とリリースされ始めたことで、台風の目になっているというのが現状だ。

 Windowsタブレットの利点は、何といっても従来のWindows用プログラムがそのまま動作することだ。タブレットで利用したいプログラムがiOSやAndroidでアプリとしてリリースされていないケースは少なくないが、Windowsタブレットであれば、これまで慣れ親しんできたWindowsのプログラムがそのまま使えてしまう。具体的にはMicrosoft Officeなどがこれに該当する。最大のメリットと言っていいだろう。

 また、マウスやキーボードを接続すれば、実質的にWindowsのノートPCと同じ利用環境を実現できるなど、拡張性も高い。ふだんはタブレットとして使い、文章作成などではマウスやキーボードを使ってノートPCライクな使い方をするのも容易だ。さらにメモリカードスロットの搭載など、拡張性の高さに関しては、iOSやAndroidよりも優位な立場にあると言っていいだろう。Microsoftの「Surface」のように、あらかじめハードウェアキーボードが添付された製品も存在する。

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 端末のサイズや重量については、まだ先行するプラットフォームに追いついていない感はあるが、WindowsのノートPCと比較した場合は、十分にタブレットであることのメリットを体感できるレベルに仕上がっている。パフォーマンスについても、最新の製品であればiPadやAndroidタブレット並みのレスポンスを誇る(ただしそのぶん価格は上がるが)ほか、バッテリーの持ち時間でも遜色がなくなりつつある。InstantGo機能への対応が進めば、この差はさらに縮まるだろう。2013年の暮れからは8型サイズの製品も続々と登場し、画面サイズの選択肢も豊富になりつつある。

Windows 8/8.1では、タッチ操作前提のスタート画面とWindowsストアアプリが用意されており、従来のデスクトップ画面およびデスクトップ用アプリとは操作が異なる(写真はVenue 11 Pro)

 ネックとなるのは、Windowsではあるものの、必ずしも従来のWindows 7以前の操作性と同じであるとは限らないことだ。これはどちらかというとWindows 8.1にまつわる問題だが、タッチ操作前提のUIと、Windows 7以前のキーボード/マウス主体のUIが混在していることから、従来のWindowsの慣れが通用しない部分があり、使い始めてしばらくの間は戸惑いも多い。

 またソフトについても、Windows 8の操作性に特化したソフトはまだ数少なく、新たに開設されたWindowsストアを通じて提供されるアプリ(Windowsストアアプリ)の数も多くはない。タブレットとしてはまだ駆け出し、という表現になるだろう。

 もっとも、Windows 8である以上、現在発表されているサポートライフサイクルポリシーからして、メインストリームサポートは2018年1月9日まで、延長サポートは2023年1月10日まで保証されているのは、法人ユースでは大きなメリットだ。ハードウェアはこれからも進化を続けると考えられるが、少なくともOSのレベルで使えなくなることは、上記の期間においては考えにくい。iOSおよびAndroidと比較した場合は、大きなメリットとなり得る。

 なお、Windowsタブレットの中でも、Windows RTと呼ばれるラインアップについては、従来のWindows用デスクトップアプリとの互換性がない(Office 2013はWindows RT版も用意されているが、いくつか機能制限がある)。ソフトウェアの互換性の高さを主眼に置いてWindowsタブレットを選ぶ場合は、Windows RTでは目的と合致しないので、製品選びにおいて気をつける必要がある。

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