2016年のGoogleを振り返る AlphaGoから虚偽ニュース問題まで:ITはみ出しコラム(2/2 ページ)
検索やAndroidに限らず、さまざまなニュースがありました。
ハードウェアは統一ブランドにするつもり?
5月の開発者向けイベント「Google I/O」で発表され、10月のイベント「Made by Google」で発売時期などが具体的になった一連のGoogle純正ハードウェアにも注目です。
これらについてはイベント名と同じ「Made by Google」というキーワードの下、スマートフォンの「Pixel」、音声アシスタント付き無線スピーカーの「Google Home」、Wi-Fiルーターの「Google WiFi」、Pixelを装着して利用するVRヘッドセットの「Daydream View」、ストリーミング端末の「Chromecast」といったラインアップが米国のホリデーシーズンに出そろっています。
一方、Chromebook、Android TV、Android Wearのモデルチェンジはありませんでした。これが今後どうなるのか気になるところです。
サービスの名称変更が多すぎた1年
このように、Googleはさまざまな名称のさまざまなサービスを抱えていて、それをどう整理するかも課題となっています。それにしても、2016年は名称の変更が多すぎたんじゃないでしょうか(それで分かりやすくなるならいいのですが)。ざっと以下のような変更がありました。
- Google、「Chromecast」アプリを「Google Cast」に改名 対応端末拡充を反映(3月)
- Google+は「Google for Work」のコアに──Googleが3つの更新を発表(8月)
- 「Google Apps for Work」が「G Suite」に改称 AI機能や「Team Drive」を追加(9月)
- Google、一連のクラウドサービスを「Google Cloud」という総称に(9月)
- Google、「Google Cast」を「Chromecast built-in」に改称へ(11月)
虚偽ニュース問題で信頼性が問われる
11月の米大統領選挙中、Facebookのニュースフィードとともに「Google Newsでトップに掲載されたフェイク(虚偽)ニュースが選挙結果に影響した」という批判が高まりました。Google Newsの検索結果トップに「トランプ氏が一般投票でも勝った」という事実と異なるニュースが掲載されたのです。
ほぼ時期を同じくして、日本でもSEO(検索エンジン最適化)に長けたDeNAのWELQなどのキュレーションメディアによる法律的(著作権や薬機法)あるいは社会的に問題があるような記事コンテンツが検索結果の上位に出ていたことに、検索エンジンの信頼性を問う声も挙がりました。
紙の新聞を購読せず、ニュースはGoogleからの検索やFacebookなどのSNSでチェックする人が多くなった昨今、こうした企業の社会的責任は大きくなっています。ただし、SEOは検索エンジン側と対策する側のいたちごっこの部分もあり、問題には終わりが見えません。
それでも四半期決算は全て増収増益
そんな問題も抱えたGoogleですが、年4回の決算発表は全て増収増益でした。ほとんどが広告収入です。2017年はテコ入れしたハードウェア製品でも収益が上がるでしょうか。
- Alphabet(Googleの持ち株会社)、“その他”事業の営業損失が36億ドルでも増収増益(2月)
- Googleの親会社Alphabet、売上高は好調もFiberなどへの投資がかさみ純利益は予想を下回る(4月)
- ピチャイCEOも「Pokemon GO」に言及:Alphabet、Googleのモバイル広告好調で予想を上回る増収増益(7月)
- Alphabet(Googleの持ち株会社)、モバイル検索とYouTubeが好調で2桁台の増収増益(10月)
以上です。まだ取りこぼしている気はしますが、大きなトピックとしてはこんなところでしょうか。創業から18年たってもまだイノベーティブな気質が残っているGoogle。2017年もいろいろ驚かせてくれますように。
関連キーワード
Google | Android | AlphaGo | Google Assistant | Google Home | Google Pixel | Waymo | Daydream View
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