デュアルコア化した新型「HP Pavilion Notebook PC dv2」の性能は?:低価格スリムノートPC第2章(2/2 ページ)
日本HPの低価格スリムノートPCがモデルチェンジを果たし、全モデルでデュアルコアCPUと外部グラフィックスを搭載した。新モデルの性能をチェックしよう。
店頭モデルが大幅なスコア向上を実現
PC USERで利用しているベンチマークプログラム使って、店頭モデルと直販モデルのパフォーマンスを計測した。デュアルコアCPUの搭載でどれだけ性能の向上があったのか、外付けGPUの追加で両モデルの差はどれくらいあるのかが気になるところだ。なお、従来モデルのスコアはこちらのページ(6万円を切るスリムノートPC「HP Pavilion Notebook PC dv2」の店頭モデルを電光石火で試す)を見てほしい。
まずWindowsエクスペリエンスインデックスでは、両モデルでいずれのスコアも同じという結果になった。CPUの2次キャッシュやHDD容量など細かい差は吸収されてしまった格好だが、従来モデルに比べ、直販モデルはプロセッサが3.4から4.5に、メモリが4.9から5.1に、グラフィックスが3.9から4.0に上昇した。加えて、これまでチップセット内蔵のグラフィックス機能だった店頭モデルでは、グラフィックスが3.2から4.0、ゲーム用グラフィックスが3.1から4.1に増加した。
一方、PCの総合的な性能をテストするPCMark05では、総合スコアが直販/店頭モデルともに3000を越えた。直販モデルは従来の2281から3604へ(1.58倍)、店頭モデルは1927から3436へ(1.78倍)と飛躍的に向上した。特に店頭モデルのGraphicsは夏モデルの825から2513と3倍以上のスコアアップを果たしているのが目を引く。逆にいうと、直販モデルと店頭モデルの差は確実に減っている。
3Dグラフィックスの性能を調べる3DMark06も、CPUのデュアルコア化と外部GPUの搭載によって店頭モデルの結果が著しく上昇しており、3DMark Scoreは従来モデル比で店頭モデルが4倍、直販モデルでも1.09倍を記録した。DirectX 8.1ベースのFINAL FANTASY XI Official Benchmark 3では、店頭モデルが1.87〜2倍、直販モデルでも5%ほどの上積みが見られた。両モデルともオフィスアプリケーションはもとより、ライトなオンラインゲームも楽しめるだけの性能を獲得したといえるだろう。
バッテリーの駆動時間は、海人氏作のBBench V1.01でチェックした。液晶ディスプレイの輝度を最高に、電源設定をHP推奨にし、60秒間隔のWeb巡回(無線LAN)と10秒間隔のキーストローク出力をオンに設定したところ、直販モデルで2時間57分、店頭モデルで2時間53分で残量がゼロになった。夏モデル比で前者は13分ほど延び、後者は18分ほど短くなった計算だ。いずれにせよ、出先で常用するには向かないが、ちょっとしたモバイル利用ならば対応できるはずだ。
このような性能向上を実現した新モデルだが、従来機で気になったボディの発熱はどうなったのだろうか。室温が26度の環境でシステムに高い負荷をかけたところ、手の触れるパームレストで38度前後、キーボードでも38度、底面では45度近くになるなど、全体的に熱を帯びやすい傾向に変わりはなかった。
ファンの風切り音は、両モデルで外付けGPU(Mobility Radeon HD 3410)を搭載したことにより、アイドル中、高負荷時とも耳障りに感じるときがあった。これは排気口が左パームレスト部分にあることも原因だろう。
Netbookとの差は確実に広がったが、そのぶん価格も上昇
全モデルでデュアルコアCPUと外付けGPUを搭載することにより、パフォーマンスが上がったdv2だが、直販モデルが7万9800円(HP Directplus価格)、店頭モデルが実売7万円前後と、価格もアップしてしまった。特に直販モデルは強化点がデュアルコアCPUの採用のみと小幅で、DVDスーパーマルチドライブを削減しながら6300円(夏モデル登場時との比較)も上昇したのは痛い。また、あと1万円追加すれば、より高性能でバッテリー駆動時間が長い「Aspire Timeline」まで手が届くのは悩ましいところだ。
とはいえ、5〜6万円前後のNetbookを検討しているユーザーには、Netbookを確実に上回る性能に、1280×800ドットと低価格ノートPCでは幅広い画面と17.5ミリピッチの扱いやすいキーボードを備えた本機は魅力的に映るはずだ。重量は約1.7キロとNetbookより重くなるが、何かと制約が多いNetbookと比較して、よりスタンダードなノートPCに近い本機の使い勝手のよさは、価格以上の価値がある。さらに、本機ならば10月22日に登場するWindows 7に無償でアップグレードできるのも見逃せない。
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