VAIO史上、最薄最軽量モバイルノート「VAIO X」を徹底検証する(前編):実際どこまで使えるのか?(2/4 ページ)
11.1型WXGA液晶を搭載し、重さ約655グラム、厚さ約13.9ミリを実現した「VAIO X」。その薄型軽量ボディはもちろん、ディスプレイの視認性や使い勝手もチェックする。
バッテリー駆動時間は標準で10時間、オプションで20.5時間をうたう
携帯しやすくてもバッテリー駆動時間が短ければ魅力は半減だが、VAIO Xはこの点にも抜かりがない。重量約765グラムの標準仕様モデルで約10時間ものバッテリー駆動時間をうたっているのだ(バッテリー駆動時間のテスト結果は後編に掲載)。VAIOオーナーメードモデルのバッテリー駆動時間は、重量が約655グラム〜690グラムになる「Sバッテリー」装着時で約4〜5時間、約745〜780グラムになる「Lバッテリー」(標準仕様モデルと同等品)装着時で約8.5〜10時間としている。
SバッテリーはLバッテリーより90グラム軽いが、駆動時間は半減する。また、標準仕様モデルのオプションとしてSバッテリーの単体販売はされず、VAIOオーナーメードモデルのCTOメニューのみで展開される。
バッテリーについては、底面が膨らむ形になる大容量バッテリー「Xバッテリー」が用意されているのも見逃せない。こちらは標準仕様モデルのオプションとしても単体販売される(2万4800円)。Xバッテリーを装着すると、重量がLバッテリーより300グラム増え、本体後部の厚さも31.7ミリに増えるが、バッテリー駆動は標準仕様モデルで約20.5時間、VAIOオーナーメードモデルで約17.5〜20.5時間まで延びる。
Xバッテリーは本体底面にある吸気口をふさいで熱がこもらないように、装着すると本体底部に通風用の空洞ができるデザインになっており、VAIO Xのウリである薄型軽量ボディの美しさは損なわれるが、独創的な外観でこれはこれで見栄えがする。キーボードに傾斜ができ、こちらのほうがキー入力しやすいというユーザーも少なくないだろう。装着時の重量は標準仕様モデルで約1045グラム、VAIOオーナーメードモデルで約1045〜1080グラムと1キロ強で済むため、外出先でのハードな長時間バッテリー運用ニーズにも応えられるオプションとして重宝しそうだ。
なお、ACアダプタは「VAIO P」ほどではないが、十分コンパクトにまとまっている。サイズは37(幅)×92(奥行き)×26.5(高さ)ミリ、実測での重量は電源ケーブル込みで約190グラムにまとまっており、本体とともに持ち歩く場合でも苦にならないだろう。
VAIO Xのバッテリー、重量、厚さの関係 | |||
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バッテリー | Sバッテリー(2セル) | Lバッテリー(4セル) | Xバッテリー(8セル) |
容量 | 16ワットアワー 7.4ボルト 2050mAh | 31ワットアワー 7.4ボルト 4100mAh | 61ワットアワー7.4ボルト 8200mAh |
重量(公称値) | 約155グラム | 約245グラム | 約550グラム |
重量(実測値) | 約152グラム | 約236グラム | 約515グラム |
標準仕様モデル装着時の駆動時間 | − | 約10時間 | 約20.5時間 |
標準仕様モデル装着時の重量 | − | 約765グラム | 約1065グラム |
標準仕様モデル装着時の厚さ | 13.9ミリ | 13.9ミリ | 31.7ミリ |
VAIOオーナーメードモデル装着時の駆動時間 | 約4〜5時間 | 約8.5〜10時間 | 約17.5〜20.5時間 |
VAIOオーナーメードモデル装着時の重量 | 約655〜690グラム | 約745〜780グラム | 約1045〜1080グラム |
VAIOオーナーメードモデル装着時の厚さ | 13.9ミリ | 13.9ミリ | 31.7ミリ |
Atom Zは高クロック版を中心に採用、データストレージはSSDのみ
基本スペックはVAIO Pに近いが、Atom Zでもグレードが高いCPUを中心に採用し、ストレージはSSDのみとしているのが特徴だ。標準仕様モデルはCPUにAtom Z540(1.86GHz)、チップセットにIntel SCH US15W、メインメモリに2GバイトのDDR2 SDRAM(533MHz)、ストレージに64GバイトのUltra ATA SSD、プリインストールOSに32ビット版Windows 7 Home Premiumを採用する。
VAIOオーナーメードモデルでは、Atom Z550(2.0GHz)/Z530(1.6GHz)のCPU、128Gバイト/256GバイトのSerial ATA SSD、32ビット版Windows 7 Professionalも選択可能だ。Intel SCH US15WチップセットはSerial ATAをサポートせず、Ultra ATA/100のIDEインタフェースしかないため、64GバイトSSDの場合のみメインボードと直接接続し、128G/256GバイトSSDではSerial ATA/Ultra ATA変換アダプタのボードを経由して接続する。
Ultra ATAへの変換がボトルネックになって、128G/256GバイトSSDは本来のパフォーマンスを発揮できないが、それでも64GバイトSSDに比べると高速だ(パフォーマンスのテスト結果は後編に掲載)。128G/256GバイトSSDは以下の写真にも示したようにSSDのサイズが64GバイトSSDより大きく、変換アダプタも介すので、重量が15グラムほど増すが、容量だけでなく、性能も向上するのは魅力だ。
次のページではVAIO Xの通信環境、インタフェース、液晶ディスプレイの視認性について確認する。
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