山椒は小粒でもピリリと辛いか!?――「HP Mini 110-3000」を試す:まだNetbook……だと!?(2/2 ページ)
日本ヒューレット・パッカードのNetbookでエントリーモデルに位置付けられる「HP Mini 110-3000」。そのシンプルさが魅力の1台だが、実力のほどはどうなのだろうか。
底面はフラットでレバー操作だけでカバーの着脱が可能
ACアダプタはサイズが35(幅)×95(奥行き)×27(高さ)ミリ、重量が241グラムと小ぶりだが、電源ケーブルはACアダプタとの接続が3ピンでケーブルが太く、携帯時は付属のL字型アダプタ(約42グラム)を活用したい。
バッテリーは標準の3セル(10.8ボルト 2500mAh)で、駆動時間は約4.5時間となっている。上位モデルにある6セルの大容量バッテリーは、オプションで用意されないので注意したい。
本機は底面がフラットでメモリスロットがないように見えるが、底面は1枚の大きなカバーで覆われており、多少のコツは必要だが工具を使わずにレバー操作でカバーを開けられる。カバーを取り除くとメモリスロットやHDDベイが現れるので、いざとなればパーツの換装も行える。ちなみに、メモリスロットは1基のみ(200ピンSO-DIMM/DDR2 SDRAM)で、2.5インチHDDは9.5ミリ厚まで収納可能だ。
一部のテストでは上位モデルを上回るスコアも
最後に、本機のパフォーマンスをベンチマークテストで検証しよう。評価機のスペックを改めてまとめると、OSはWindows 7 Starterで、CPUはAtom N475(1.83GHz/2次キャッシュ512Kバイト/メモリバスクロック 667MHz)、チップセットはIntel NM10 Express、メモリは1GバイトのDDR2 SDRAM、HDDは容量160Gバイト(5400rpm)、グラフィックス機能はIntel GMA 3150(CPU統合)だ。なお、バッテリーテストを除き、すべてアナログRGB出力経由で外部ディスプレイに接続した状態(1024×768ドット)でテストを行っている。
従来のMini 110からプラットフォームがPine Trail(開発コード名)に改められたとはいえ、その性能はNetbookらしく地味だ。ただ、CPUが上位モデルよりも高速なので、CPU自体のスコアはHP Mini 210 Vivienne Tam Editionを上回る。
バッテリーの駆動時間は、海人氏作のBBench V1.01を使って計測した。設定条件は液晶ディスプレイの輝度を最高、電源設定をポータブル/ラップトップにし、Web巡回(60秒間隔)とキーストローク出力(10秒間隔)をオンにしたところ、約3時間27分動作した(残量は7%)。公称の駆動時間には及ばないが、外出での利用も対応が可能だろう。
システムに高い負荷をかけると底面がやや熱を帯びるが、手が触れる部分は熱くならない。ただ、左側面の排気口から聞こえる風切り音がやや気になった。
上位モデルとの価格差が悩ましいが、オリジナリティは健在
上位モデルに比べてボディサイズがやや大きめで重量もわずかに重く、バッテリー駆動時間も微減している本機だが、同社らしいデザインのこだわりや細かい作り込みが感じられる1台になっている。ただ、悩ましいのが4万4940円という価格だ。本機は直販のHP Directplusのみで扱われ、上位モデルのHP Mini 210とHP Mini 210 Vivienne Tam Editionはいずれも直販モデルの取り扱いが終了しており、店頭モデルのみ購入できる。上位モデルは、2年間ライセンス版のOffice Personal Edition 2007プリインストールモデルなどバリエーションモデルがあるが、Mini 210で4万円〜4万5000円前後、Vivienne Tam Editionで6万円前後で販売されている例が多く、ポイント還元などを考えると本機との価格差が切ない。
とはいえ、上記のように性能は上位機に迫る部分もあり、単純にボディデザインの好みやメモリ/HDD容量、ポイント還元を含めた価格差を総合的に考えれば、おのずと結果は出てくるはずだ。ごくシンプルなNetbookを探しているユーザーにとって、本機は魅力的な選択肢になるだろう。欲をいえば、本機のデザインで高解像度版(1366×768ドット)が用意されると、さらに魅力が高まるように思う。
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