パケットの利用拡大はiモード、PCデータ通信、スマートフォンの3本柱で――ドコモの山田社長
ドコモの山田氏は、iモード、PCデータ通信、スマートフォンの3本柱でパケット収益の拡大を目指すと説明。iモードはミドル・ライトユーザーの利用がカギになるとし、パケット定額プランへの加入を促進する。
「何としてもパケットARPUを上げ、2011年に音声ARPUとパケットARPUの逆転を目指す」――。第2四半期の決算会見でこう話したNTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏。1月29日、第3四半期決算会見の席上で同氏は、パケットARPUの具体的な拡大施策に言及した。
携帯電話収入はバリュープランへの加入者増の影響で音声収入が減少しており、第3四半期は音声収入が前年同期比で1875億円の減収となった。パケット収入は、定額プランへの加入者増や動画利用の拡大で592億円の増収となったものの、携帯電話収入は前年同期比で1283億円減収し、ネットワークの効率化や端末販売関連の収支改善でも補えなかった。こうした不足分を補うためにもパケット収益の拡大は急務であり、パケットARPUを伸ばすための取り組みを進めるとしている。
パケット通信の利用拡大は(1)iモード(2)PCデータ通信(3)スマートフォン の3つのカテゴリーで取り組む考えで、PCデータ通信とスマートフォンは、「(パケットARPU拡大に向けた)新たな2大柱」だと山田氏。PCデータ通信は7月に2段階定額の下限を1000円に値下げしたことが奏功して契約数の伸びに弾みがつき、PCデータ通信端末の月間販売数も平均5万台程度に増加。販売シェアも「最近では30%くらいになっているのではないか」と自信を見せた。
スマートフォンは、これまでの「T-01A」「HT-03A」「BlackBerry Bold」といったラインアップに加え、春商戦でソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズのAndroid端末「Xperia」を投入することを発表済み。「いいスマートフォンがあるのは必要条件」と、山田氏は胸を張る。今後の取り組みとしては、「ITリテラシーの高い人ばかりではなく、使ってみたいと思った人が、簡単・便利に使えるスマートフォンの提供」を目指し、スマートフォン特有のハードルの高さをとりはらうようなサービスや料金体系を考えていきたいと話す。
iモードパケットの利用拡大については、いかにミドル・ライトユーザーに使ってもらうかがカギになるとし、まずは下限が390円の2段階パケット定額プラン「パケ・ホーダイ ダブル」への加入促進に取り組む考え。その上で生活密着型コンテンツと利便性向上の2本柱で利用促進を図る。
生活密着型コンテンツは、地域密着型や趣味・実用型のコンテンツを増やす方針で、地域密着型では、32の都道府県でゴミ出しの日をレコメンドする「ゴミカレ」や特売情報をプッシュで知らせる「シュフモ」のように「着実、地道な地に足のついたコンテンツ」(山田氏)の拡充を目指す。
使い勝手の向上については、ライトユーザーは自らコンテンツを取りに行かない人も多いことから、メールを活用したプッシュ配信を活用。天気予報や乗換案内をプッシュで送ったり、デコメ素材の無料配信メルマガなどを計画している。
なお、iモードの定額プランの契約率は、当初目標としていた47%を2008年9月末に達成したことから、55%を新たな目標に設定。12月末で49%に達するなど順調に推移しているという。
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