ドコモ株主総会 「役員もXperiaやiPadを使っている」と山田社長
NTTドコモの株主総会では、株主からスマートフォン戦略などの説明を求める声が挙がった。SIMフリー化や海外事業展開、増加するトラフィック対策などにも質問が及んだ。
NTTドコモは6月18日、株主総会を開催した。総会に出席した株主からは、スマートフォン事業の戦略や、海外事業戦略、増加するトラフィックに関する施策などの説明を求める声が挙がった。
役員も「XperiaやiPadを使っている」
同社は2010年を「スマートフォン新時代」と位置付け、スマートフォンのラインアップやサービスを強化する考え。同社の山田隆持代表取締役社長は、使いやすい料金設定や「ドコモマーケット」を通じたアプリの紹介などによって、幅広い客層がスマートフォンを使える環境を整備していくと説明した。株主の「役員はスマートフォンを使っているのか」という質問には、「Xperia、iPadを含めて役員もきちっと使っている。この機能のボタンをこうすべきだ、といった議論も開発者と交わしている」(山田氏)と答え、近く市場に投入するドコモ網対応のモバイルWi-Fiルーターを使ってiPadが利用できることも紹介した。
SIMフリー問題について代表取締役副社長の辻村清行氏が説明する場面もあった。「総務省を中心にSIMフリー化の議論がなされている。おそらく今後はだんだんとSIMフリーになっていく」と話し、特に複数キャリアの利用を想定したスマートフォンでは、こうした動きが加速すると指摘。端末とキャリアとの結びつきが弱くなる将来に備え、アプリのエコシステムを構築していくとした。
海外展開に関する質問も相次いだ。インドのTTSL社への出資をはじめ、アジアを中心に海外事業を展開し、「資本投下だけでなく、ドコモのサービスを海外でも広げていきたい」と山田氏は回答。また、「インフラはグローバルに進化するが、サービスはローカルでなくてはいけない」と、“グローカルの視点”で海外事業を拡大する考えを示した。
今後も増加が予想されるデータトラフィックの対策については、周波数を効率的に利用できるLTEの導入に加え、Wi-Fi環境の活用や、「全体の1%のユーザーが全トラフィックの3分の1を占めている」という現状を踏まえたヘビーユーザーに対する通信制限を図ることが説明された。また、「トラフィックが増える中、定額サービスで利益を上げられるのか」との質問に、取締役常務執行役員の加藤薫氏は、LTE導入に向けて高速大容量のデータ通信に合った料金体系を検討していると話した。
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