Qualcomm、スマホ向け新技術とSnapdragon 800/600/400/200の製品ラインアップを発表
Qualcommが、音声でスマホを復帰させられる「Snapdragon Voice Activation」と、急速充電技術「Qualcomm Quick Charge 2.0」を発表。あわせて、Snapdragon新シリーズの詳細も明らかになった。
Qualcommが2月20日(米国時間)、スマートフォン向けの新しい技術「Snapdragon Voice Activation」と「Qualcomm Quick Charge 2.0」を発表した。
Snapdragon Voice Activationは、音声で端末を起動できる技術。端末メーカーがプリセットした言葉を、あらかじめ登録したユーザーが発すると、スリープ状態から復帰する。同社は「世界初の低消費電力の常時聞き取り機能」としている。この機能は、プロセッサーに「Snapdragon 800」を搭載した端末で2013年後半から利用可能になる予定。
Qualcomm Quick Charge 2.0は、専用アダプターを用いることで、通常よりも最大75%高速な充電が可能になる技術。例えば充電に7時間以上かかるタブレットは、同技術では3時間以下で充電が完了するという。Qualcomm Quick Charge 2.0はSnapdragon 800搭載スマートフォンやタブレットが対応し、2014年前半に利用可能になる予定。
あわせて、2013 International CESで発表したSnapdragonの新シリーズ「Snapdragon 800/600/400/200」の製品ラインアップも案内している。
Snapdragon 800は最大2.3GHz駆動のクアッドコアCPU「Krait 400」を搭載した最も高性能なプロセッサー。GPUは「Adreno 330」を備え、3Gと4G(LTE)対応モデムチップも内蔵している。製品はLTE対応の「MSM8974」、HSPA+対応の「MSM8274」、CDMA対応の「MSM8674」、モデムなしの「APQ8074」をラインアップする。Snapdragon 600は最大1.9GHz駆動のクアッドコアCPU「Krait 300」、GPUに「Adreno 320」を備えるプロセッサー。モデムは内蔵しておらず、製品は「APQ8064T」をラインアップする。製造プロセスは800と600いずれも28ナノメートル。
ミドル〜エントリークラスのスマートフォン向けに供給されるのが、Snapdragon 400と200だ。Snapdragon 400のCPUは最大1.7GHz駆動のKrait(デュアルコア)または、最大1.4GHz駆動のARM Cortex-A7(クアッドコア)。TDSCDMA、DC-HSPA+、CDMAなどの通信やデュアルSIMもサポートする。製品ラインアップは「MSM8226」「MSM8626」「MSM8230」「MSM8630」「MSM8930」「APQ8030AB」「MSM8230AB」「MSM8630AB」「MSM8930AB」。MSM8930とMSM8930ABはLTE通信にも対応する。Snapdragon 200のCPUは最大1.4GHz駆動のARM Cortex-A5(クアッドコア)。CDMAやUMTSなどの通信をサポートする。製品ラインアップは「MSM8225Q」「MSM8625Q」。
今回の発表内容は、2月25日からバルセロナで開催されるMobile World CongressのQualcommブースでも紹介する。
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