東急は、自由が丘駅の照明設備のほとんどを入れ替えた。以前に使っていた照明設備と比較して消費電力量を50%以上削減できると見込む。さらに、次世代の照明を模索する動きも見せている。
駅では、エレベーター、エスカレーター、自動改札機、パソコンなどさまざまな機器が電力を消費している。中でも大きな電力を消費しているのが照明だ。東京急行電鉄は、消費電力量の削減を狙って、同社の自由が丘駅の照明器具入れ替えに踏み切った(図1)。LED照明と高効率の有機EL照明を導入することで、照明に必要な電力消費量の半減を狙う。
今回の取り組みは環境省が企画した「チャレンジ25地域づくり事業」の一環。この事業は温室効果ガス排出量削減を目的としたものだが、東京急行電鉄では、電力消費量の削減も狙っている。同社の鉄道事業本部 電気部 電力課の木暮隆雄課長は、「取り替え前に使っていた照明機器の消費電力量を計測してある。LED照明と高効率有機EL照明への入れ替えで、駅舎全体の消費電力量を最大25%、照明にかかる電力消費量を最大で50%節減できると見込んでいる」とその効果を予測する。
木暮氏はまた、照明を入れ替えた後はその効果を4年間測定し、良い結果が得られたら、東京急行電鉄のほかの駅などでも照明器具を切り替えることを検討するとしている。
ホーム、駅務室、駅前広場、駅売店などに調光可能なLED照明を1105台、コンコースには調光だけでなく、調色もできるLED照明を69台、LEDを利用した案内板を73台設置した(図2)。器具はすべてパナソニック エコソリューションズ社の製品。
コンコースに導入した平面型のLED照明は調色が可能という利点を生かし、時間帯に応じて照明の色を変える。5時〜10時は昼白色(図3)、10時〜21時は昼白色と電球色の中間色、21時〜翌1時までは電球色(図4)というスケジュールで色を変える。
これは、「サーカディアンリズム」という考え方に基づいている。人間の生体リズムを調べると、時間によって人間が心地良いと感じる光の色が変わるという考え方だ。機器を提供しているパナソニック エコソリューションズ社は、すでにオフィス向け照明に応用することを明らかにしている。
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