このところ遊休地を活用して太陽光発電所を建設する企業が増えている。再生可能エネルギーの固定価格買取制度によって10年程度で投資を回収できるようになったためだ。300坪以下の土地に建設できる小規模な太陽光発電所のパッケージ商品が発売された。
太陽光発電システムを開発・販売するソーラーフロンティアが「小規模発電所パック」という商品名で発売した(図1)。このパックには太陽電池モジュールのほか、電圧変換用のパワーコンディショナー、設置用の架台やケーブル、発電量を計測するシステムがセットになっていて、1か月程度で設置して運転を開始できる。
発電能力は10kW〜50kWで、家庭用と同じ低圧の配電線に接続して使えるため、家庭向けに電気が送られている場所であれば設置が可能だ。現在の太陽電池モジュールは1枚が1平方メートル程度で、発電能力は100W程度のものが主流である。50kWの発電所を建設する場合は約1000平方メートル(約300坪)の土地が必要になる。
この新商品はオープン価格で販売するが、企業が導入する規模の太陽光発電システムの価格は現在のところ10kWあたり500万円程度であり、ほぼ同水準とみられる。
太陽光によって1年間に発電できる量は、発電能力10kWの場合に全国平均で約1万3000kW時と推定されている。7月1日から始まった固定価格買取制度では太陽光発電の買取価格が1kW時あたり42円に設定されているため、年間で約55万円の収入になる。設置工事費にもよるが、ほぼ10年間で初期投資を回収できる計算だ。
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