固定価格買取制度の開始を前にして、企業が所有する建物に太陽光発電システムを設置する例が増えている。住宅設備や建材の開発販売を手掛けるLIXILは、工場や倉庫に多い「金属折板屋根」にも取り付けられる太陽光発電システムを発売する。
LIXILは産業用、商業用建物に向く太陽光発電システムを2012年7月1日に発売する。工場、倉庫、店舗などに多い「金属折板屋根」に設置することを可能にした点が特長(図1)。
金属折板屋根は、その上に重量がかさむものを載せることを想定していない。そのため、既存の太陽光発電システムを設置することが難しかった。LIXILは太陽光パネルを固定する架台に軽量なアルミニウム製のものを採用した。さらに、架台を簡素化、小型化することで軽量化を図り、金属折板屋根に太陽光パネルを設置できるようにした。金属折板屋根の中でも代表的な「重ね式」と「ハゼ式」に対応する(図2)。
架台を軽量化したため、設置工事の際に人の手で設置場所まで運べるようになったことも特長。架台を持ち上げるための重機を用意する必要がなくなるので、設置工事の期間を短縮でき、費用を節約できる。架台の素材であるアルミニウムが錆びにくいという点もメリットになる。架台のメンテナンスがほとんど不要になるからだ。
設置方法は「横置き」「縦置き」「直付け」の3種類(図2)。横置きと縦置きの場合は棒状の架台を利用する。直付けの場合は小さな金具で屋根にパネルを固定するので、架台の重量をより軽減できる。屋根の形状が重ね式の場合は、横置きにだけ対応する。
価格は173万7900円から。太陽光パネル12枚、接続箱、パワーコンディショナー、架台をセットにした価格であり、ハゼ式屋根に横置きすることを想定している。この構成の太陽光発電システムの出力は2.28kW。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.