1500Wの電力を10日間連続で供給、アウトランダーPHEVの家庭用電源としての実力電気自動車

三菱自動車工業がパリモーターショーに出展することを明らかにした「アウトランダーPHEV」。トヨタ自動車の「プリウスPHV」よりも一回り大きな車体で、同等の燃費を実現したことで注目が集まっているが、家庭用電源としての実力もかなりのものだ。

» 2012年09月11日 07時15分 公開
[笹田仁,スマートジャパン]

 「アウトランダーPHEV」は、同社のSUV(スポーツ多目的車)「アウトランダー」を基にしたプラグインハイブリッド車(PHEV)だ(図1)。PHEVというと、トヨタ自動車の「プリウスPHV」が有名だが、アウトランダーPHEVはプリウスPHVよりも大きな車体を持ちながら、同等の燃費(複合燃費が61.0km/l)を実現したことで注目を集めている。

図1 三菱自動車工業の「アウトランダーPHEV」

 アウトランダーPHEVは、高速走行時以外はモーターで走行し、エンジンは主に発電に利用するが、エンジンで発電するのは走行時だけではない。停車中もエンジンで発電する「バッテリーチャージモード」という動作モードを持っている。このモードを利用すると、長時間にわたって家電製品に電力を供給できるのだ。

 国内発売は2013年始めの予定だが、そのときは車内に家電製品向けのコンセントが付く予定。このコンセントからは出力1500Wの電力を供給できる。アウトランダーPHEVが搭載する蓄電池の蓄電容量は12kWh。蓄電池が満充電状態なら、一般家庭が消費する電力1日分を供給できる。

 ただしこれは、蓄電池の電力を1回放電するまでの話だ。バッテリーチャージモードに設定して、エンジンで発電を続ければ、もっと長い時間にわたって、電力を供給できる。三菱自動車工業によると、1500Wの電力を10日間連続で供給できるという。

 国内販売時は、分電盤を通して家庭に電力を供給する急速充電コネクターを用意することも考えているという。自動車の電力を家庭で利用するVehicle to Home(V2H)では、日産自動車が電気自動車「リーフ」向けの「LEAF to Home」という実用システムを発売し先行しているが、アウトランダーPHEVもV2Hシステムに利用できるだけの十分な実力を持っている。

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