スマートメーターの開発プロジェクト、5月から一斉に開始へエネルギー管理

今後の電力ネットワークを変革するスマートメーターの開発計画が東京電力を中心に具体的に進んできた。中核になるメーターの計量部、メーターからの通信ネットワークに続いて、メーターから収集したデータを管理するシステムの開発会社の募集が始まった。

» 2012年12月18日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 東京電力は2014年度から企業や家庭に次世代の電力計「スマートメーター」の設置を開始する計画で、そのために機器やシステムの開発を2013年度中に完了する必要がある。当面の開発対象は3つの領域で構成される。

 1つ目はメーターそのもの、2つ目はメーターをつなぐ通信ネットワーク、そして3つ目はメーターからのデータを収集・管理するシステムである(図1)。これらの開発作業を東京電力は公募によって外部企業に委託する方針で、3つの領域ごとに開発会社の提案を募集するRFP(Request For Proposal)と呼ぶ方式をとっている。

図1 スマートメーターの開発で中核になる3つの領域。出典:東京電力

 すでにメーターの計量部に関しては3月〜4月にRFPを実施して、それをもとに確定した仕様を10月にRFCに参加した企業に提示済みだ。さらにデータのフォーマットなどメーターのソフトウエア部分のインタフェース仕様を2013年2月に開示する予定になっている。メーカーがスマートメーターの生産を開始するのは2013年度の後半を見込んでいる(図2)。

図2 東京電力のスマートメーター開発・設置計画。出典:東京電力

 続いて通信ネットワークのRFCは11月に開始しており、さらにメーターのデータ管理システム(MDMS)のRFCを12月17日に発表した。この2つに関しては2013年4月までに開発会社を決定して、5月から開発作業に入る。スマートメーターの設置が始まる2014年度には運用を開始する計画である。

図3 東京電力が設置するスマートメーターのイメージ。出典:東京電力

 東京電力は2700万の顧客すべてにスマートメーター(図3)を設置することにしており、2014年度〜2018年度の5年間で1700万台の設置を完了することを想定している。通信ネットワークとデータ管理システムは2700万台のスマートメーターに対応できる必要があり、極めて大規模で高度な開発作業が求められる。

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