大阪ガスが実験集合住宅「NEXT21」を使って、バイオガスや太陽熱などの再生可能エネルギーを活用した実証プロジェクトを開始する。全18戸の住居を対象に、太陽光発電や蓄電池、ガスコージェネレーションも併用した自立型エネルギーシステムの実用性を5年間かけて検証する計画だ。
大阪ガスは20年前の1993年に6階建ての「NEXT21」を大阪市内に建設して、エネルギーを有効に活用する近未来の集合住宅の実験を5年単位で繰り返してきた(図1)。
新たに開始する第4期は2014年6月から5年間にわたって実施する計画である。重要な実験テーマのひとつが再生可能エネルギーの活用で、バイオガス発生装置や太陽熱利用システムを導入して電力使用量とCO2排出量の削減に取り組む。
全部で18戸ある住居のうち8戸には、冷温水を使った空調システムを導入する。この空調システムに必要な冷温水の生成に太陽熱やバイオガスを利用する仕組みだ(図2)。バイオガスは共用部に設置する装置で生ごみから生成し、通常の都市ガスに混合してガスコージェネレーションシステムの燃料として利用する。
このガスコージェネレーションは停電時に電力を供給する役割も果たす。さらに一部の住居には太陽光発電システムや蓄電池からの電力も供給する。蓄電池を生かした住居間の電力融通や、太陽熱を生かした熱融通など、ユニークな試みも実施する予定だ。
NEXT21には大阪ガスの社員と家族が住み、節電効果やCO2の削減量、実際の住み心地を検証することにしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.