マンション・デベロッパ最大手の大京が東京都内に建設中の新築マンションで、太陽熱を利用した給湯システムを全戸に装備する。屋上に設置した太陽光の集熱パネルから、各戸のガス給湯システムに熱を送り、ガスの使用量とCO2の排出量を削減する狙いだ。
大京が太陽熱利用型の給湯システムを導入するのは、東京・練馬区内の住宅地に建設中の地上4階建てのマンション。61戸すべてに設置したガス給湯システムと連携させて、キッチンやバスルームの給湯のほか床暖房にも利用する(図1)。
マンションの全戸に太陽熱を利用した給湯システムを装備するのは日本で初めての試みになる。完成して入居を開始するのは1年後の2014年2月を予定している。
導入するシステムは東京ガスが2012年4月に発売した太陽熱利用ガス温水システムの「SOLAMO(ソラモ)」である。SOLAMOはマンションのベランダに集熱用のパネルを設置する方式が一般的だが、大京は全住戸分のパネルを屋上に設置する。屋上の集熱パネルから各住戸のベランダにあるガス給湯システムの「エコジョーズ」に熱を送る仕組みだ(図2)。
東京ガスによると、標準的な3人家族の場合で年間の給湯使用量の16%を太陽熱で作ることができる。太陽熱を利用しない場合と比べて、ガス使用量とCO2排出量を1年間に29%削減できる効果がある。
住戸内で利用するリモコンから運転モードを切り替えることが可能で、太陽熱だけで温めた低温の湯を使うこともできる。リモコンの画面にはガス使用量やCO2排出量の削減データを表示するほか、ガス料金の削減額を確認することも可能になる。
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