鶏のフンで3000kWを発電、鹿児島の畜産インテグレーション会社自然エネルギー

鹿児島県でチキンの生産から加工までの「畜産インテグレーション」を実践するジャパンファームが鶏のフンを燃料にしたバイオマス発電に取り組む。チキンを生産する垂水工場に発電能力3000kWのバイオマスボイラーを導入して、1時間あたり約10トンにのぼる鶏のフンを燃料に活用する試みだ。

» 2013年03月18日 15時00分 公開
[石田雅也,スマートジャパン]

 ジャパンファームは三菱商事が70%出資する畜産の大手で、年間に3500万羽の鶏と16万頭の豚を生産して出荷している。鹿児島県の3か所に大規模な肥育農場と工場があり、特にチキンは生産から加工までの「畜産インテグレーション」を実践していることが特徴である。新たにインテグレーションの範囲を鶏のフンを活用した自家発電に広げる。

図1 垂水工場。出典:ジャパンファーム

 主力工場のひとつである垂水工場に、畜フンを燃料に利用できるバイオマスボイラーを導入する。このボイラーは発電プラントメーカーのタクマが開発したもので、畜フンを燃焼して発生させた蒸気で発電すると同時に、燃焼時の熱を回収して熱源としても利用することができる。

 垂水工場ではバイオマスボイラーの導入により、1時間あたり約10トンのフンを燃料に使って3000kWの発電が可能になる。発電した電力は工場の電源に利用し、ボイラーで発生させた蒸気は工場内の設備の熱源としても利用する。従来は鶏のフンを肥料に利用する以外に用途がなかった。

 垂水工場は1988年に、日本ケンタッキーフライドチキンから認定工場の第1号に指定されている。

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