出力1万kW超に拡大、広島企業の木質バイオマス発電自然エネルギー

木材を加工する業種はバイオマス発電導入に向いている。木材には利用できない部分が必ず残り、木質バイオマスは発電に適するからだ。広島県に拠点を置くウッドワンは、これまでも社内で消費する電力の約5割をバイオマス発電でまかなってきた。2015年には発電規模を2倍近くに拡張、出力が1万kW(10MW)を超える予定だ。

» 2013年05月08日 13時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 木質建材メーカーのウッドワンは、2013年5月、木質バイオマス発電の規模を拡大し、固定価格買取制度(FIT)を利用した売電を開始する計画を発表した。

 同社は建具や床材、収納家具などを加工・販売する企業。木質建材の製造時に発生する未利用木材はバイオマス発電に向いており、これまでも社内に置いた2カ所の発電所(出力4600kWh、出力1300kWh)でバイオマス発電を行ってきた。自家消費と売電を目的とした発電所である。2011年度は2782万kWhを発電し、そのうち1689万kWhを自家消費し、残りの1093万kWhを売電している。自家発電の比率は総消費電力の48%に達する。電力を得るだけはなく、発電時に発生する蒸気を木質建材製品の製造工程に使用するコージェネレーションも進めてきた。

図1 バイオマス発電所の位置

 ウッドワンは、これまでニュージーランドで植林、木材加工を行っており、事業の拡大に併せて、バイオマス発電所を2015年の春期に新設、売電を開始する形だ。従来の2基と同様、同社が本社を置く広島県廿日市市に建設する(図1)。

 発電能力は5000kW/h(送電端出力、発電端出力は5800kW/h)。トラベリングストーカ方式の炉を設け、2万8600kg/hの蒸気を得る。売電益として年間7億円を見込む。

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