小水力で電力を稼ぐ、中部電力が岐阜県のダムに設備を追加自然エネルギー

既存のダムに設備を追加して今まで利用していなかった水を発電に使う。電力会社ならではの取り組みだ。中部電力は岐阜県や愛知県を流れる矢作川の発電用ダムを利用する。

» 2013年06月12日 07時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]
図1 矢作第二ダムの位置(赤)。出典:中部電力の資料を基に編集

 既存の発電所に施設を追加して出力を増やす試みが続いている。水力発電所は火力発電とは異なり、比較的、設備を増強しやすい。

 中部電力は発電目的で所有する矢作第二ダム(図1)に設備を追加する。矢作第二ダムには既に出力3万1600kWの矢作第二発電所が併設されている。1971年に運転を開始した歴史のある発電所だ。図2の右側には発電所の取水口が写っている。

 矢作第二ダムには、ダム下流の河川の環境維持などを目的に、ダムから常時流し続ける水(維持流量)がある。これを新たに発電に使う。図2の左側に取水設備を追加し、水圧管路を通じて発電機に水を導く。これが出力200kWの「新串原水力発電所」(岐阜県恵那市)だ。ダムの水面から発電所までの高低差は22.5mある。

 2014年度に着工し、2015年度に運転を開始する予定だ。年間発電量として170万kWhを見込む。小水力発電は24時間動作するため、出力と比較して年間発電量が大きくなる。

図2 矢作第二ダムと新串原水力発電所(左)の建設位置。出典:中部電力

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