東芝がHEMSサービスを改良、より少ないIT支出で利用可能にエネルギー管理

東芝は一般家庭用のHEMS製品に改善を加えて、2013年11月に販売を開始する。Wi-Fi接続だけに対応したタブレット端末が利用できる他、そもそもインターネット接続環境がない家庭でもそのまま導入できる。

» 2013年09月06日 13時00分 公開
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 東芝がHEMS機器とサービスを改良する。例えば、Wi-Fiを使ってタブレット端末から家庭内の電力状況を見ることができ、家電を操作できるようにした。インターネット接続環境がない家庭でもこの機能を利用できる。

 同社は2012年にHEMS製品を市場に投入している。2つの機器からなり、1つは住宅内で消費する電力を計測する「エネルギー計測ユニット」、もう1つは計測した結果をインターネット経由で東芝のデータセンターとやりとりする「ITアクセスポイント」だ。

 2013年11月に同社が販売するHEMS製品も2つの機器からなり、機能もよく似ている。「エネルギー計測ユニットS」は家庭内の分電盤と接続して使う。宅内全体はもちろん、10回路までの分岐回路ごとの消費電力量や太陽光発電システムを導入していた場合は、太陽光の発電量を測定できる。分電盤の周辺に設置することから小型化を図り、従来機の容積の約84%に小型化した。

 より改善が著しいのは「ホームゲートウェイ」だ。これは従来のITアクセスポイントに対応する機器だ。従来品は有線LANとBluetoothによる無線通信に対応していたが、これではWi-Fiを使う機器とは接続できない。これを改善した。

 従来品はブロードバンドルータとPCなどの間に挟み込み、インターネット接続契約が前提になっていた。新製品では「SimpleHEMS機能」*1)と呼ぶ接続方法を追加、より単純な構成で電力見える化が実現できるようにした。図1にあるように、インターネット接続に必要な装置類は不要だ。青線がBluetoothによる無線通信、オレンジ色の弧がWi-Fiによる無線通信を表す。

*1) SimpleHEMSで扱うことができる機器の台数には上限がある。例えばエアコン(4台)、フェミニティ対応の天井照明器具であるスマートホームライティング(4台)などである。

図1 SimpleHEMSを用いた接続図。出典:東芝

 ソフトウェアにも改善を施した。東芝はこれまで、電力情報を見やすい形に加工し、「フェミニティ倶楽部」と呼ぶ専用のWebサイト経由で閲覧できる仕組みを提供してきた(図2)。新製品の発売と合わせ、フェミニティ倶楽部のインタフェースを拡張、タブレット端末やスマートフォンから操作しやすいようタイル画面デザインを選択出来るようにした。

図2 フェミニティ倶楽部との接続図。出典:東芝

 なお、今回の新製品を採用するハウスメーカーも決まっている。2013年11月に積水ハウスが発売する新築住宅でHEMSの1つとして選択できるようになるという。

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